東出昌大「この映画が公開されるまで死ねない」『寝ても覚めても』ジャパンプレミア

東出昌大「この映画が公開されるまで死ねない」『寝ても覚めても』ジャパンプレミア
提供:シネマクエスト

日時:8月21日(火)
場所:テアトル新宿

第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されたことで注目を浴びた新鋭・濱口竜介監督が、東出昌大を主演に迎え、芥川賞作家・柴崎友香による同名恋愛小説を映画化した『寝ても覚めても』が、9月1日よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国公開に先駆けて、8月21日(火)公開劇場であるテアトル新宿にてジャパンプレミアを行った。

先日行われたカンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映され、歓喜で迎えられた『寝ても覚めても』。監督は前作『ハッピーアワー』で数々の国際映画祭で主要賞を受賞しその名を世界に轟かせ、本作で初の世界三大映画祭出品にしてカンヌのコンペ部門出品の快挙を果たした新鋭・濱口竜介。自ら熱望した、芥川賞作家・柴崎友香の同名傑作恋愛小説の映画化で満を持して商業映画デビューを果たす。主演は、近年ますます演技の幅を広げる東出昌大。同じ顔だが全くタイプの違う二人の男、亮平と麦(ばく)の一人二役に初めて挑む。そして、本作が初の本格演技デビューである新星・唐田えりかがヒロイン・朝子を瑞々しく演じる。瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知、仲本工事、田中美佐子の豪華キャストが脇を固め、tofubeatsが初の映画音楽を担当し主題歌を書き下ろすなど、最高の原作、キャスト、スタッフが集結。

発売と同時に即完売となった『寝ても覚めても』のジャパンプレミア。チケット発売時はアクセス困難になるほどのプレミアチケットをゲットした満席&立ち見客にあふれた客席を前に主演の東出昌大、ヒロインの唐田えりか、脇を固めた瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知、そして監督の濱口竜介らが登壇すると、悲鳴に近い歓声がとんだ。

恋愛観の感じ方は千差万別
ミステリアスな自由人・麦(ばく)と誠実なサラリーマン・亮平。東出昌大演じる二人の間で揺れる女ごころを描いた本作。観る者それぞれの恋愛観を揺さぶられる作品だ。この映画から、キャストたちはどんな恋愛を感じたのだろうか。

東出昌大:この映画の感想は千差万別。初めて『寝ても覚めても』を見たとき、台本を知ってるのに仏きを感じてヒリヒリしたのを覚えています。

唐田えりか:朝子を演じて、改めて自分に嘘をつきたくないと思いました。

山下リオ:朝子のように目が合った瞬間に心を奪われるような経験をしてみたいです。

渡辺大知:主題歌の「RIVER」という曲が象徴していますが、時間が流れていくということを感じました。流れる中にもとどまるものがある。恋愛ってそういうことなのだな、と。

濱口竜介監督:観て、驚くのではないか、驚くと同時に納得するのではないか、と思います。僕は原作を読んでそう思いました。

鑑賞前の観客のため、言葉を控えながらも初めて完成したものを観た時のそれぞれの驚きを語る登壇者たちであった。

東出昌大は宇宙人…?
濱口監督のキャスティングの采配は大成功だったようだ。この映画の現場を経て、月イチで食事をするほどに仲良くなったというキャストたち。それぞれの相性も抜群!それぞれのあだ名を付けあったという。現場の空気はどうだったのかというと…?

東出:ムードメイカーは瀬戸くんですね!

唐田:そうだ!トッチ(瀬戸康史のあだ名)、モノマネやって!平泉成さん。

と、まさかの無茶ぶりに瀬戸さんは……

瀬戸康史:は?!ここで?…「えー、『寝ても覚めても』ね…うちの母さん泣いてたよ」(平泉成さんのモノマネで)

(一同爆笑)そして話は撮影を経て仲良くなった『寝ても覚めても』メンバーの話について…

瀬戸:月イチで会ってるよね、撮影後も。なんでこんな仲いいんだろう。

東出:それは、監督の映画愛が純粋だからそれに引っ張られたんじゃないかと思うんだよね!

女子チームに話は移りミステリアスな麦を演じていた東出さんはどうだったか?とMCから質問が。

唐田:宇宙人みたいだった。笑

山下:異生物。笑

唐田:目が合ったら殺されそう、とか言ってたよね。笑

と横で聞く東出さんは目頭を押さえて失笑。自分ではそんな意識は全くなかったようで…

東出:え……そうなの?! おかしなことをしているつもりはなかったんだけどな。怖かったかな、ごめんね。

渡辺:自分は亮平とのシーンはないから、麦しか知らないんだけど、壁はあるけど、長い時間をかけて知りたいやつだと思った。だから、怖いという印象はなかったですよ!

伊藤沙莉:でも、東出さんって「あ、いま麦だな」「今日は亮平だな」と一目見ただけで感じられるくらいそれぞれの役になりきってた。あの気配の出し方はすごいと思いましたね。

一人二役を演じた東出に共演者は畏怖すら覚えるほどだった!しかしその演じ分けがあったからこその『寝ても覚めても』が真に評価される作品になった。

本当に、本当に『寝ても覚めても』を愛している!
最後の締めでは座長である東出と濱口監督から観客へメッセージが……。どちらも『寝ても覚めても』への愛にあふれたコメントとなった。

監督:(キャストのみなさんに)みなさんが撮れて幸せでした。本当にありがとうございました。この映画は観ることで、お客様のものになる。もらって帰ってくれると嬉しいです。

東出:胸を張って誇れる映画になりました。撮影中、まさに寝ても覚めても、『寝ても覚めても』のことしかを考えてなかったんです。この映画が公開されるまで死ねないと本当に思ってます。本気でこの映画を愛してます。

出演者と監督の退場の際には、階段を降りる女性陣をすかさず東出が手を差し伸べてエスコートする姿に客席から思わずため息が漏れた。人を大事に、作品を大事にして作られた『寝ても覚めても』。登壇者それぞれが寝ても覚めても『寝ても覚めても』のことを考えていることが判明した、愛すべきジャパンプレミアとなった。

最終更新日
2018-08-22 12:00:21
提供
シネマクエスト(引用元

広告を非表示にするには