デヴィッド・ボウイ一周忌『地球に落ちて来た男』全国一斉追悼上映決定!

デヴィッド・ボウイ一周忌『地球に落ちて来た男』全国一斉追悼上映決定!
提供:シネマクエスト

2016年1月10日に、この世を去ったデヴィッド・ボウイ。このたびデヴィッド・ボウイの誕生日(1月8日)と命日(1月10日)に全国22館にて、彼が初主演を務めた映画『地球に落ちて来た男』(ニコラス・ローグ監督)が追悼上映されることが決定した。

今年 7 月にリバイバル上映した『地球に落ちて来た男』が、デヴィッド・ボウイの誕生日と命日にふたたび全国で上映される。

ウォルター・テヴィスの同名 SF 小説を、『美しき冒険旅行』『赤い影』のニコラス・ローグ監督が映画化し、新天地を求めて地球に降り立った宇宙人=トーマス・ジェローム・ニュートンをボウイが演じている。『地球に落ちて来た男』の主人公は歳をとらない。

実際には地球人よりはるかに遅く歳をとるという設定なのだが、とにかく映画の中のデヴィッド・ボウイは見事に歳をとらない。周りだけが変わって行く。

あらゆるものの変化を見ることはできるがそれを止めることはできない不老ゆえの憂鬱が、映画全体を覆っていく。その憂鬱は、現実のデヴィッド・ボウイに重ねられる。劇中で流れる、ロイ・オービソン「ブルー・バイユー」、アーティ・ショウ「スターダスト」などの古い楽曲は、この映画のなかでは単に懐メロとしてではなく、不老のまま未来をも生き抜く遥か未来の誰かが聞いた懐メロのように、過去からではなく未来から聞こえてくるようだ。
この映画には現実のデヴィッド・ボウイの歌は一切使われていないが、しかしそれらはまるでボウイが彼らに作らせた曲のようにも聞こえ、つまりこの映画はボウイの音楽に溢れていのだと言いたくなる。一周忌追悼上映にあたり、本作配給の boid 主宰・映画評論家の樋口泰人氏は下記のような序文を寄せている。
「ここにきてまるでアメリカの「現在」そのもののようにも見えてくるこの映画のアメリカと現実のアメリカを、そのねじれた視線で幻視する、そんな力技が求められているのだと思う。これは過去に作られた映画かもしれないが、まさに未来に向けて、そして未来の視線によって、いつかくるだろうその日のために作られた映画でもある。わたしたちはそれが今であることを知っている。 --第45代アメリカ大統領が選出された日に--」ボウイがこの世を去り、その日から一年が経とうとしている。

この間にボウイ追悼のプロジェクトが多く動いている。7月の『地球に落ちて来た男』の再上映に続き、9 月にはサントラが制作 40 年後にして初リリースされた。来る 1 月 8日のボウイ誕生日からは「DAVID BOWIE is デヴィッド・ボウイ大回顧展」が開催、そして二見書房から原作の『地球に落ちて来た男』が来年 1 月 10 日に刊行予定、そして 1 月 14 日からは 1973 年のロンドン、ハマースミス・オデオンで行った歴史的ライヴを収録したドキュメンタリー『ジギー・スターダスト』の劇場公開も控え、まだまだ話題が尽きない。

最終更新日
2016-12-01 17:00:45
提供
シネマクエスト(引用元

広告を非表示にするには