11月28日(土)にキネカ大森で開催された「シネマDE出逢え場」内で、12月12日(土)に公開を控える映画『ベテラン』の特別上映と、女性誌などで活躍中のモデル・中田クルミをゲストに招いてのトークイベントが実施された。
今回が3回目の開催となる「シネマDE出逢え場」に参加したのは、男女合わせて33名。参加者はそれぞれ好きな映画を記入したネームプレートを付けているため、映画好きということで話を弾ませつつ『ベテラン』の鑑賞へ。上映後、中田が登場しトークイベントがスタートした。
まず今作の印象深い点として、進行の松崎まこと氏から「本作は悪役がすごいですよね。最近、完全なる悪を描いた作品あまりないですし、ここまでは珍しい。(チョ・テオを演じた)ユ・アインはこれまで好青年役しかやってこなかったんですよ。韓国の俳優さんは型にはまらず極端な役もできるんですよね」と説明されると、中田は「ユ・アインさんのあのケツアゴは、悪役顔ですね(笑)。でも悪役が初めてと伺ってびっくりしました。すごいですね」と独特の表現で同意した。
また、「ユ・アインが演じたチョ・テオは、自分のやっている悪いことに陶酔しているところがありますね。自分を強がって見せているし、嫌だなぁと思いました。実際私の周りにも、女の子を使って自分を持ち上げている人いますからね。ブリッ子の逆パターンで、何でこんな男にって思うような人に引っかかる女の子がいたり。(チョ・テオは)その極端な例ですね」という説明には参加者から笑い声も。
続けて「この作品は韓国で1300万人以上を動員し今年一番、歴代でも3位の興行成績を記録していますが、主役のドチョルを演じたファン・ジョンミンはラブロマンスからヤクザ、悪徳刑事など幅広い役ができ、いまや韓国映画界ではナンバーワン俳優といっても過言でない。またファン・ジョンミンと『国際市場で逢いましょう』でも共演し、劇中チーム長を演じたオ・ダルスは自分の出演作の動員を合わせて“1億人俳優”と言われているんですよ! この人が出ている映画は間違いない」と松崎氏。
さらに「韓国で大ヒットした理由には、悪役の背景がある。日本よりも格差が大きい韓国は、芸能界であっても学歴が重視されるほど。一方、実際に財閥のバカ息子が色々事件を起こしていたり、世間には一部の人が儲けているという不公平感も強い。こういう背景も本作がヒットした理由では?」と興味深い解説も。
ここで“シネマDE出逢え場”にちなんで、登場人物の中でどのキャストがタイプかと問われると、中田は「ファン・ジョンミンは色気がありますね。女性が、かっこいい男性がいいなって思うのは大学生くらいまでですよ。かっこいいことがむしろマイナスになってくることも。ファン・ジョンミンが演じたドチョルのように、ちょっとした色気もあってユーモアもあって、かつ余裕がありつつ自分を曲げないところは好きですね」と語ると、大きくうなずく女性参加者の姿もあった。
また、見どころでもあるアクションシーンについて、「劇中、カーチェイスを行う明洞(ミョンドン)は、東京でいうと原宿とか新宿のような所なので、すごいですよね。そういう場所でロケができるというのが日本映画と韓国映画の差だと思う」と松崎氏が話すと、中田も「冒頭のコンテナ埠頭でのアクションシーンは観ていてワクワクしました。映画って実際はこれってないでしょう、ってことも当たり前にあるのがいい。劇中の飛び蹴りとか、ぜひやってみたいです!」とモデルだけでなく女優としても活躍する中田ならではの発言も飛び出した。
最後に「リュ・スンワン監督は次も違ったアクション映画を撮るんだと思いますが、今後リュ・スンワン監督作、ファン・ジョンミン主演作、そしてオ・ダルス出演作は見逃せないですし、今回悪役を演じたユ・アインの次回作にも注目してほしいです!」と締めくくり、盛況のうちにトークイベントは終了した。