濱口竜介作品「悪は存在しない」の主演・大美賀均が監督した「義父養父」、予告編

濱口竜介作品「悪は存在しない」の主演・大美賀均が監督した「義父養父」、予告編1
濱口竜介作品「悪は存在しない」の主演・大美賀均が監督した「義父養父」、予告編2

提供:キネマ旬報

濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」に主演した大美賀均が監督を務め、知人の実話をモチーフに独特な家族のありようを描いた「義父養父」が、12月15日(金)よりシモキタ – エキマエ – シネマK2ほかで全国順次公開。ポスタービジュアルと予告編が到着した。

服飾デザイナーのリカ(34)の母は、少し前に5度目の再婚をした。「男に経済力は求めていない」が母の口癖だった。ある日、リカは母の再婚相手の双子の兄である豊(65)を紹介される。妻が精神疾患を抱え、自身は末期癌を患う豊は、リカに養子に来てほしいと言う。その要望に応えたリカが、夫妻に家族としての感情を抱き始めた矢先、豊が逝く--。

〈出演者コメント〉
澁谷麻美
実の母と5人目の義父
そして養父と養母
いびつな家族のかたちだけど
リカは強く欲して、手に入れようとした
人は本当に強くて、本当に弱い
私はたくさんたくさん勘違いしていました
あの日起きたあの感情は一体なんだったんだろう
私の中で今もまだ手放せないでいるリカの想いを
皆さんにも見届けて頂けると嬉しいです
松田弘子
試写で拝見したとき、画面に映る部屋も景色も人も初めて見る知らないもののように見えて(人というのは、自分も含めてです)、不思議でした。「撮影のとき私そこにいたのにな」、と思いました。そんな『義父養父』の世界を観客の皆さんがどのように受けとめてくださるのか、とても楽しみにしています。

〈応援コメント〉
濱口竜介(映画監督)
抑制の効いた語りのなかで、各ショットが滋味深く機能する。大美賀均監督の劇場デビュー作『義父養父』を人に大いに薦めたいものの、傑作とはまだ言うまい。ただ本作には見た者に期待を抱かせる〈何か〉が写っている。いつか、心からよいと感じる映画を撮る人はこういう人なのではないか、と思ってしまうぐらいに。
森井勇佑(映画監督)
1ショット1ショットに漲るものがあり、惹き込まれました。登場人物たちがポツリと喋り、廊下の奥や家の外に向かって動き回るたびに、あぁ自分はいま映画を見ているのだなと実感できました。画面の外側にある世界をちゃんと感じさせる作りでした。きっと監督が複雑な人間関係を深く信じることができ、それをカメラで切り取ることに、ある確信があったからなのだと思います。観終わったあと、とても余韻が残りました。
石橋英子(音楽家)
色々な思惑の中、どうにもできない事だけが静かにゆっくり貫かれて、観終わった後、言葉にされずにどこかに沈んだ事柄だけで地層ができた世界にいたような気持ちになりました。もっと長くあの世界(うなぎを食べれる世界という訳ではないです)にいたいと思いました。
その地層のグラデーションが滲んだような美しい登場人物たちをもっと見ていたいと思いました。
(昨年の冬に大美賀さんに会った時は静かなドライバーでした。“悪は存在しない”で大美賀さんを観た時はチャールズ・ブロンソンのような俳優が現代にもいる事に驚きました。そして今その大美賀さんの監督作品をみてなんだこのお方は!とはじめましてに戻ったような気持ちでいます。)
小川知子(ライター・編集者)
思いやりって、往々にしてまっすぐにも最短距離でも伝わらないものだ。リカと文子の間に流れるものに触れて、去りゆく人の選択とそれぞれに関わる人々の意志がばらばらに存在することを前に、私という個人の思いなんていうものの役に立たなさに茫然とした日の記憶と感情が蘇ってきた。それでも誰かを案じたり、思ったり、行動したりすることの尊さは、その時々で形や色や重みを変えて、私を混沌のなかで浮遊させる。
中村桃子(画家・イラストレーター)
文子の後ろ姿はイルカの求愛やウミガメの産卵を見ているような。私は自然現象のすごいものを見ていると、「凄い、美しい、守りたい、自分には何もできないんだ、、」という気持ちになるけれど、それに近い感情になった。リカの瞳もそんな目をしていた。気がした。「戸惑い」が私に寄り添ってくれる映画だった。

「義父養父」
製作:gram
プロデューサー:笠原由貴子、中村優里
企画・監督・脚本:大美賀均
撮影:米倉伸
照明:秋山恵二郎、平谷理沙
録音:織笠想真
音楽:小林うてな
出演:澁谷麻美、松田弘子、有薗芳記、菅原大吉、黒沢あすか
© 2023 gram

濱口竜介作品「悪は存在しない」の主演・大美賀均が監督した「義父養父」、予告編3

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最終更新日
2023-12-05 18:12:24
提供
キネマ旬報(引用元

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