『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』「なぜ人を殺した?」加害とPTSDに迫る本編映像解禁

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』「なぜ人を殺した?」加害とPTSDに迫る本編映像解禁

監督・俳優として世界から高い評価を受ける鬼才・塚本晋也監督の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が 9 月 11 日(金)より日本公開を迎えた。本作は、第 83 回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、ワールドプレミア上映では約 8 分間にわたるスタンディングオベーションを巻き起こしたほか、「レオンチーノ・ドーロ賞(Leoncino d’Oro/金の小獅子賞)」を受賞。日本作品として初の同賞受賞という快挙を成し遂げた。さらに、第 51 回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門への正式出品も決定し、世界の映画祭を舞台に高い注目を集めている。

このたび解禁されたのは壮年期のアレンが、自らが戦場で奪った命の数について語る衝撃的の本編映像。アカデミー賞®俳優ジェフリー・ラッシュ演じるニール・ダニエルズ医師とのカウンセリングを通して、アレンが長年封じ込めてきた戦争の記憶と“加害”に向き合う姿が映し出される。

■「何人殺した?」「数が多くなりすぎた」――戦場で失われていく人間性
18 歳でベトナム戦争の最前線へ送られ、多くの命を奪ったアレン。塚本監督のカメラが映し出すのは、恐怖と混乱が支配する戦場で、人が人を殺すことに次第に慣らされていく現実だ。燃え上がる村を前に、「何人殺した?」と問われたアレンは、静かにこう答える。「最初は数えていましたが......やめました。数が多くなりすぎた」。
一人ひとりに名前があり、人生があるはずの命が、いつしかただの“数”へと変わっていく―。その短い言葉からは、戦争によって人間性が失われていく恐ろしさが浮かび上がる。同時にそれは、アレンが帰還後も長年苦しみ、生涯をかけて向き合うことになる“加害”の記憶でもあった。

■戦争から帰っても、戦争は終わらない。「なぜ人を殺した?」
そして映像は一転、静かなカウンセリングルームへ。戦場から帰還し、長年 PTSD に苦しみ続ける壮年期のアレンを演じるのは、『RENT』オリジナルキャストとして知られるロドニー・ヒックス。その向かいに座るのは、アカデミー賞®俳優ジェフリー・ラッシュ演じる心理学者ニール・ダニエルズ医師だ。ダニエルズ医師が静かに問いかける。「なぜ人を殺した?」何度も繰り返されてきたその問いに、アレンは苛立ちを見せながら、「戦争で兵士だったんです。殺すか殺されるか、2 つに 1 つでした」と答える。
ダニエルズ医師はそれ以上追及することなく、「分かった。来週また会おう」と告げる。しかし部屋を去ろうとするアレンの背中に、再び同じ問いが突きつけられる。「なぜ人を殺した?」。戦争だったから。兵士だったから。殺さなければ殺されていたから―。それでもなお問い続ける医師と、答えることのできないアレン。この長年にわたる対話こそが、彼が封じ込めてきた記憶と、自らが行った「加害」に向き合っていくための道のりとなっていく。

■戦場の“その後”まで描く、塚本晋也の戦争映画
塚本監督が本作で描こうとしたのは、戦場で起こる殺戮だけではない。戦争が終わり、兵士が故
郷へ戻った後にも、その身体と精神の中で戦争が続いていくこと。そして「命令されたから」「戦争だったから」という言葉の奥にある、自らの加害と向き合わなければならない苦しみだ。
塚本監督はこれまで、「戦争に行くとこんなことになる。本当に嫌でしょう」と、戦争を国家や英雄の物語ではなく、そこへ送り込まれた“一人の人間”の身体と精神から描くことの重要性を語ってきた。
今回の本編映像は、『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』というタイトルに込められた
“問い”そのものを観客へ突きつける映像となっている。

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9月11日(金)よりkino cin?ma新宿ほか公開
(C)Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners (C)Allen Nelson/KODANSHA

最終更新日
2026-09-15 17:00:00
提供
映画の時間編集部

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