1人制作の背景が明らかに…!?ジルバロディス監督の故郷ラトビアを知り尽くす『Away』リモートトークイベント

1人制作の背景が明らかに…!?ジルバロディス監督の故郷ラトビアを知り尽くす『Away』リモートトークイベント

世界中のアニメーション映画祭を熱狂させた、ラトビア人新進クリエイター、ギンツ・ジルバロディス(Gints Zilbalodis)が、3 年半をかけて、たった一人で【製作・監督・編集・音楽】全てを作り上げた長編デビュー作、映画『Away』が 12 月 11 日(金)より絶賛公開中。
アヌシー国際映画祭や第92回アカデミー賞長編アニメーション部門、第47回アニー賞、第13回ポズナン・アニメーター・フェスティバルといった世界の映画祭で注目を集め、合わせて【9 冠】を達成!日本以外にもフランスやポルトガルでの公開も決定し、世界での評価が更に高まっています!

この度、公開記念としてギンツ・ジルバロディス監督の故郷ラトビアを深く知るためのトークイベントを実施!
Away』の公開記念のイベントとして、ギンツ・ジルバロディス監督(以下、ジルバロディス監督)の故郷ラトビアを知るためのリモートトークイベントを実施した。クリスマスツリーが飾られた部屋にラトビアの民族衣装をまとった駐日ラトビア共和国大使館に勤めるエギヤ ・ エグリーテさん(以下エギヤさん)と関西日本ラトビア協会に所属するダナ・ アンティポヴァさん(以下ダナさん)が登場。2 人は、ジルバロディス監督が『Away』を完成させることができた背景やラトビアの映画市場、ラトビアの文化や文化に関する豆知識に至るまで幅広く解説してくれた。
まず、『Away』が日本公開を迎え、エギヤさんは「観に来て頂き誠にありがとうございます!この作品は、世界中を旅した気分にさせてくれます。森は京都の竹林に似ていて、映画に登場する黒いネコは伏見稲荷大社にいる狐のような守り神のような存在に感じました。」、ダナさんは「とても感動しました。高校のころは美術学校に通っていて、アニメーションの授業を受けましたが苦労した記憶があります。そのため、ジルバロディス監督が 1 人で作品を完成させたのは、本当にすごいと思いました!ジルバロディス監督は次回の作品は小規模のチームで制作すると仰っていますが、ラトビアにもジブリのような制作会社ができるといいですね。楽しみです。」と、自国の作品が遠い国・日本で上映されたことに喜びを述べた。

ラトビアでのクリエイター支援制度については、「ラトビア政府は映画制作の支援をしており、ラトビアの文部科学省の下で活動するラトビア国立映画センターと文化財団がプロモーションや海外での上演支援などを行いました。毎年、数百万ユーロの予算が組まれるほど、映画とアニメの制作を支援しているのです。」と国を挙げてクリエイターを支援する制度があると語り、ジルバロディス監督もその支援を受けたことで『Away』を完成、そして多くの映画祭で上映できたと明かしました。また、ラトビアの映画市場に関しては、ハリウッド映画やイギリス映画が非常に人気だそうで、日本映画の人気については、「日本映画も徐々に人気を集めています。在ラトビア日本大使館は、毎年日本映画祭を開催しています。また、首都のリガでは、日本のアニメや漫画、ゲームの祭典である“ユニコン”も開催しています。」と日本映画のみならず、アニメやゲームなど日本の文化に触れる機会が多くなってきていると語った。
ラトビアの映画制作に対する姿勢は高く、ラトビアはロケ地招致にも力を入れているそう。「EU 公認のプログラムにラトビア・エストニア・フィンランドを撮影現場としてプロモーションする“ノーススター・フィルムアライアンス(NSFA)”というプロジェクトがあります。ぜひ日本の映画も撮影しにきて頂きたいです。ラトビアの良いところは、物価が安く、自然も豊かで様々な建築様式の建物があります。なので、いろいろなジャンルの映画を撮影することができると思います。また、“シネビッラ”という映画村があるのですが、ハリウッド映画と日本映画はかなり重視しています。」とロケ地招致活動が活発であると同時に、その成果として実際に日本とラトビアの初共同製作された『ふたりの旅路』(17)はNSFA 地域で撮影されていると明かした。そして、今年話題となった『テネット』(20)も NSFA 地域で撮影された。

最後、日本とラトビアの友好について触れ、「1921 年に日本はラトビアを公式に国として認め、来年は日本・ラトビア友好 100 周年の節目の年となります。それを記念し、様々な行事を企画していますので、楽しみにしていてください!これからも映画『Away』のように、ラトビア映画が日本でも公開する機会が増えたら嬉しいです。」とメモリアルイヤーである 2021 年への期待感を露わにした。

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最終更新日
2020-12-22 16:00:00
提供
映画の時間編集部

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