『人魚姫』チャウ・シンチー監督オフィシャル・インタビュー

  • 登壇者:チャウ・シンチー監督
『人魚姫』チャウ・シンチー監督オフィシャル・インタビュー1
『人魚姫』チャウ・シンチー監督オフィシャル・インタビュー2

提供:シネマクエスト

人間の世界と人魚の世界に住む男女のロマンシング・アドベンチャー『人魚姫』。1月7日の公開を前に、チャウ・シンチー監督のインタビューが届いた。

本作の製作の経緯を教えてください。

■チャウ・シンチー監督:『人魚姫』は現代都市で起きるおとぎ話で、現実的な面とファンタジー的な面の2つの面がありますが、根本的にはラブストーリーです。僕はおとぎ話が好きで、僕の作品は実はすべておとぎ話です。おとぎ話には“善人は報われる”、“正義は勝つ”という大原則があり、僕はそれを信じているからです。

本作は中国歴代興行収入No1を記録しましたが、それについてどのような心境でしょうか?

■チャウ・シンチー監督:僕は映画を作るときはいつも観客に喜んでもらえるかどうかを気にしています。観客が一番大切です。

ヒロインのリン・ユンのオーディション抜擢の理由は何でしょうか?

■チャウ・シンチー監督:ヒロイン選びにはたくさんの選択肢がありましたが、リン・ユンのオーディションのときに彼女だけ、ほかの候補者にはないある種の感覚があり、自分の思い描いたヒロイン像に一致しました。リン・ユンはコメディの才能があり、本作の中でもその演技力が十分に発揮されていると思います。

スター俳優ダン・チャオと新人女優の共演、撮影現場の様子はいかがでしたか?

■チャウ・シンチー監督:ダン・チャオはとてもよい役者で、撮影のときもよく一緒にこのシーンをどう演じるべきなのかディスカッションやリサーチを重ねました。彼はまだ新人ですが、洞察力に優れ、コメディのセンスも非常に高いです。

今回、CGを駆使した映像とアクションが見どころですが、それぞれ演出で苦労した点やこだわった点を教えてください。

■チャウ・シンチー監督:演出するときはいつでも困難にぶち当たるものですが、CGは演出意図に基づいて使用しています。

本作は現代中国にはびこる拝金主義と環境汚染問題に警報を鳴らすメッセージも込められているようですが、そのメッセージを込めた想いを教えてください。

■チャウ・シンチー監督:“もし地球上に1滴もきれいな水がなく、一口分のきれいな空気もなかったとしたら、いくらお金があっても何の役にも立たない”と僕は信じています。我々は地球の環境を大切に守っていかなくてはなりません。

今後、作ってみたい映画のテーマはありますか?

■チャウ・シンチー監督:自分の過去の作品に対して不満な点がたくさんあり、それゆえに真にいい作品を撮りたいと思いつづけています。この目標に向かって邁進します。

『少林サッカー』の顔中の吹き出物がコンプレックスの阿梅(ムイ)、『カンフー・ハッスル』の貧民街の住人たち、『ミラクル7号』のディッキー、そして本作の人魚姫……監督は弱き者や異形の者を物語で描くことが多いですが、そこには彼らへの共感のようなものがあるのでしょうか?

■チャウ・シンチー監督:僕の最も愛するのはおとぎ話で、僕のすべての作品はおとぎ話だと思っています。

『カンフー・ハッスル』の貧民街のセットは、ショウ・ブラザーズ製作の映画を思わせる見事な設計でした。『西遊記~はじまりのはじまり~』では冒頭の怪魚が現れる水辺の場面が圧巻です。そして今回は人魚たちが隠れ住むジャンク船のセットがすばらしい。ここぞという場面ではセットでの撮影にこだわる理由を教えてください。またCGに関してはあえてリアルではないレベルで使用しているように見えるのですが、その意図も教えてください。

■チャウ・シンチー監督:どんなCGやセット、ギャグもすべて映画の外装であり、最後に残るのは“情”の一文字です。深いエモーションがなくて成功している映画を僕は知りません。

監督の映画では随所にミュージカルシーンが出てきますね。今回では夜の遊園地でのデュエットが素晴らしかった。いつか本格的なミュージカルに挑戦したいという想いはありますか?

■チャウ・シンチー監督:今後もし機会があって、よい題材があれば考えたいと思います。

最終更新日
2016-12-22 01:00:04
提供
シネマクエスト

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