初笑い びっくり武士道 作品情報
はつわらいびっくりぶしどう
双子六兵衛は、福井藩内に知れ渡った臆病者だった。殿中で、便所に行く白装束の殿様を幽霊と見間違え、仲間たちの蔑みと嘲笑を浴びる始末だ。ある日、六兵衛にとって、汚名をそそぐ絶好の機会が到来した。というのは、藩お抱えの武芸指南仁藤昂軒が、狩場で殿ご寵愛の小姓加納平兵衛を斬り逃亡したのだ。殿は烈火のごとく怒り討手を出すことになった。その討手に妹のかねが泣いてとめるのも聞かず、六兵衛は志願した。九頭竜川沿いの街道を早籠でとばした六兵衛は、大聖寺川の渡し場で、昂軒に追いついた。だが六兵衛は、昂軒が十数人の荒くれ人足をケ散して、若い武家娘を救っている光景を目撃して、今さらながら昂軒の強さを思い知らされた。山中温泉を過ぎ、安宅ノ関を通っても屁ッピリ腰の六兵衛にチャンスはこない。尋常な手段では、到底成功はおぼつかないと悟った六兵衛は、心理作戦をたてる。昂軒の後を執拗につきまとって四六時中「ヒトゴロシー」と怒鳴り続けるのだ。最初は豪快に笑い飛ばしていた昂軒もメシは食えず、夜もろくろく眠れない。やがて越後高岡の松葉屋で二人は同宿した。昂軒の部屋を見張っている六兵衛から、宿の女将おようは、事の始終を聞かされて感動する。翌日から二人で昂軒の後を追った。富山の城下町では与力猪戸団右衛門の力もあり、諏訪を過ぎたあたりで昂軒はついにダウンしてしまう。昂軒は切腹しようとするが、六兵衛は上意討ちは、もとどりだけで目的が果たせるからと止める。やがて六兵衛は、おようと共に故郷に錦を飾ったが、その後も六兵衛の臆病は一向に直る様子はなかった。
「初笑い びっくり武士道」の解説
上意討ちの討手を買ってでた臆病な武士が、武芸の達人に立ち向かうというストーリーの中で、武士道の窮窟な枠を皮肉りながら、人間心理の機微をユーモアに描いた山本周五郎の時代小説の映画化。脚本は松竹助監督でもある三村晴彦と「緋牡丹博徒 お命戴きます」の加藤泰。監督は脚本も執筆している「コント55号とミーコの絶対絶命」の野村芳太郎。撮影も同作の川又昂が、それぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1972年1月21日 |
---|---|
キャスト |
監督:野村芳太郎
原作:山本周五郎 出演:萩本欽一 岡崎友紀 坂上二郎 光本幸子 榊原るみ 宍戸錠 嵐寛寿郎 ピーター 森田健作 穂積隆信 南利明 はかま満緒 武智豊子 石井富子 佐々木梨里 たんくだん吉 いわたがん太 松原直 フォーリーブス 田中邦衛 吉田義夫 谷よしの |
配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1971) |
上映時間 | 87分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-06-15
私は以前、あるテレビの音楽番組で岡崎友紀さんとご一緒させてもらったことがある。それだけにこの映画はとても興味があった。これは時代小説から映画化されたものだが、面白すぎると思った。岡崎友紀さんは昔からテレビドラマでお馴染みだったが、実際にお会いしても凄くチャーミングな美人だと思った。