第97回アカデミー賞の国際⻑編映画賞のイラク代表作品『バグダッド・メッシ 片足のサッカー少年』を、2026/8/7(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。
■メッシに憧れるサッカー少年の夢が奪われる…映画冒頭銃撃戦シーン解禁
今回解禁された本編映像は、一瞬の爆撃で左脚を失うことになる、本作の起点となる極めて緊迫した映画冒頭の銃撃戦シーンである。舞台は2009年、米軍の侵攻と占領、そしてスンニ派とシーア派の長年の対立によって揺れ動くイラク。バルセロナ(※2009年当時)のスター選手リオネル・メッシに憧れる11歳の少年ハムディは、地元チームのキャプテン兼得点王を務める才能あふれるサッカー少年だった。いつものように仲間たちとサッカーを楽しんでいたある日。メッシの背番号「10」を背負い、鮮やかなゴールを決めて無邪気に喜ぶハムディ。しかし、そんな日常の幸せな時間を切り裂くように、突如として激しい弾丸が飛び交い、過酷な銃撃戦が始まってしまう。アメリカの民間警備会社と反政府勢力との予期せぬ交戦に巻き込まれたハムディは、非情にも左脚の一部を失ってしまう。病院に駆けつけた母・サルワは、先に到着していた父・カディムから愛する息子が脚を失ったという残酷な事実を告げられ、絶望と驚愕の表情を浮かべる──。ハムディは大切な左脚を失っただけでなく、人生で最も熱中してきた「サッカーを自由にプレーする未来」さえも同時に奪われてしまったのだ。
サヒム・オマール・カリファ監督は、当時のイラクにおいて「サッカー」がいかに国民の唯一無二の希望であったかを語る。戦争という容赦ない現実の中で、その希望の象徴であったサッカーを両足でプレーできなくなってしまったハムディ。彼を待ち受けるあまりに過酷な運命とは?この夏、私たちが絶対に目撃するべき、魂の物語である。
併せてメイキング写真4点と、新場面写真2点も解禁となる。
■池上彰(ジャーナリスト)さんの解説文が到着!
映画の背景が深くわかる、池上彰(ジャーナリスト)さんの解説文も到着!
「イラクは長らくフセイン大統領の独裁政治が続いていたが、アメリカのジョージ・W・ブッシュ(息子の方のブッシュ)は、「イラクが大量破壊兵器を開発・所有している」として、2003年にイラクを一方的に攻撃。フセイン政権は倒れるが、大量破壊兵器は見つからなかった。なんだかアメリカのトランプ政権によるイラン攻撃を思わせるようなことが、当時も起きていたのだ。大量破壊兵器が見つからないと、アメリカは一転して「イラクを民主化させる」と言い出す。フセイン政権を倒した後、総選挙を実施する。
イラクは少数派のスンニ派と多数派のシーア派に分かれていて、少数派に属するフセイン大統領はスンニ派を優遇し、シーア派住民を抑圧していた。しかし、総選挙を実施すれば、当然のことながら多数派のシーア派が政権を掌握する。政権を取ったシーア派は、スンニ派に対する報復を開始する。かくしてイラクは宗派の違いによる内戦状態に突入する。スンニ派もシーア派も、それぞれ幹線道路で検問を実施。スンニ派もシーア派も、特有の名前を持っている人が多いことから、運転免許証の氏名をチェックすることで、敵か味方かを判別する。敵と判断されれば、その場で射殺されることも多かった。父親のカディムが、検問を受けて「自分はスンニ派だ」と叫んでいたのは、そんな背景があったからだ。あの検問はスンニ派が実施していたのだ。当時、イラクに派遣されていた米軍は兵員不足から民間軍事会社に治安維持を丸投げしていた。民間軍事会社は、米軍が後ろ盾になっていることをいいことに、やりたい放題。「テロリスト」と判断した相手には、市街地でも銃を乱射した。これにより大勢の市民が犠牲になったが、民間軍事会社の要員が罪に問われることはなかった。かくして、イラクではハムディのような少年が次々に誕生することになる。」
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