かげろう笠 作品情報
かげろうがさ
信州高遠藩、内藤駿河守の娘菊姫は盲だった。留守家老岡村十郎兵衛は、駿河守のいないうちに、菊姫を廃嫡してお家乗取りを企んだ。姫の伝育役上原修理輔は姫の危険を感じて、秘かに姫を江戸に送ることにした。十郎兵衛は腹心の坂本、磯貝らをして、道中で姫を暗殺するよう命じた。この時、同じ道中を気ままな旅を続ける風来坊の関戸の弥太郎は、偶然、菊姫の難を救い、彼女を江戸まで送ることになった。二人は江戸についたが屋敷には行かなかった。弥太郎は髪結のおしげにおしえられ、江戸一の眼科医荻須湍庵に菊姫をみせた。彼女の眼は必ず癒ることがわかった。それ以来、弥太郎はバクチを打って、生計費と治療代を稼いだ。弥太郎は姫の眼が癒らないのは不浄の金のせいだと思い、土方などをした。菊姫は弥太郎はヤクザではなく、立派な侍だと思いこんでいた。手術が近くなったある日、弥太郎はまた賭場に行った。そこでイカサマがばれたことから、梅鉢一家の用心棒になった坂本に姫の居所を知られてしまった。手術の最中にあばれこんだ坂本を、湍庵と弥太郎は身をもって追払った。そして弥太郎はおしげに姫こそは大名の娘だといって、どこかに姿を消した。菊姫の眼が開いて、国元から用人の藤崎頼母がお家騒動の解決にやって来た。しかし姫の心は浮かなかった。四日経っても姫は目隠しを取ろうとしなかった。大恩ある弥太郎をみるまでは。その夜、一人静かに琴を弾く菊姫の部屋へ、弥太郎は忘れた長脇差をとりにやって来た。その気配を知って姫は目隠しを取り、弥太郎をみた。しかし、弥太郎は血を吐く思いで逃去った。次の朝、内藤家迎えの駕籠にのった菊姫は、おしげに弥太郎に会えぬなら、今一度眼をふさぎたいといった。姫の行列を見送る群集の中に、寂しそうな弥太郎の姿がみえた。
「かげろう笠」の解説
「水戸黄門漫遊記(1958 三隅研次)」の三隅研次が監督する、長谷川一夫、香川京子の股旅物。脚本は「東海道の野郎ども」の犬塚稔、撮影は「水戸黄門漫遊記(1958 三隅研次)」の今井ひろしがそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:三隅研次
出演:長谷川一夫 香川京子 新珠三千代 中村鴈治郎 田崎潤 舟木洋一 荒木忍 杉山昌三九 清水元 光岡龍三郎 上田寛 羅門光三郎 香川良介 伊達三郎 原聖四郎 天野一郎 五代千太郎 西岡タツオ 阿部脩 浅尾奥山 大美輝子 小林加奈枝 金剛麗子 平井岐代子 片岡半蔵 芝田総二 藤川準 玉置一恵 堀北幸夫 横山文彦 岩田正 清水明 福井隆次 河田好太郎 沖時男 愛原光一 桜井修 春日清 神脇絵津子 仲上小夜子 |
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制作国 | 日本(1959) |
上映時間 | 87分 |
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