夜霧の南京街 作品情報

よぎりのなんきんまち

十三年ぶりで日本へ帰って来た母を見ても、信吉は、憤りと不潔感しか覚えなかった。彼女は、外国人の金玉成とともに日本を去っていたのだ。母のいない淋しさを、姉・美奈子の愛情でまぎらわせてきた信吉は、いつか歪んだ性格に育っていた。生活は無軌道だった。そういう彼にとって、貸ボート屋の娘・幸子の存在だけは貴重だった。幸子の兄・修一は税関に勤めていたが、密輸業者である信吉の父・信三の手下だった。キャバレー「白蘭」。そこに居並ぶのは、金玉成夫婦と信三、美奈子だ。その四人の様子を、信吉が見つめていた。密輸の取引である。その父の態度を目のあたりに見て、信吉の若い怒りは爆発した。が、手もなく金玉成の輩下に連れ出された。--ふたたび、信吉は「白蘭」の地下に向った。そこは一味のアジトであり、修一が裏切者として私刑されていた。信吉は金玉成に対した。その時、信吉めがけて短剣が投げられた。危うく身をかわした信吉の肩をくぐって、短剣は信吉の母である金夫人の胸もとに刺さった。金玉成の妻となっても、信吉の母であることを忘れなかった女は、息絶えた。その頃、幸子の知らせによって警官隊が出動した。金玉成も、信三も、一味の者たちは次々に捕縛された。信吉の言葉に、信三も父としての気持を取り戻した。曳かれていく信三の姿を、信吉と幸子が見送っていた。

「夜霧の南京街」の解説

横浜を舞台にしたアクション・ドラマで、「波止場がらす」の森田新の脚本を、新人・若林栄二郎が監督したもの。撮影は「警視庁物語 魔の伝言板」の佐藤三郎。「地獄の午前二時」の中村賀津雄・佐久間良子に、大村文武・故里やよい・三浦光子・フランク永井・加藤嘉らが出演。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督若林栄二郎
出演中村賀津雄 加藤嘉 故里やよい 岡村文子 佐久間良子 大村文武 福原秀雄 小沢栄太郎 三浦光子 菅沼正 山本麟一 岡田敏子 フランク永井 春丘典子 浦野みどり 井本美恵子 石川良昭 松田寿夫 姿年子 小金井秀春 西家正晃 三重街竜 ユセフ・トルコ ビル・ロス ニール・クラーク 日尾孝司 大筆兵部 藤本二三代
制作国 日本(1958)
上映時間 60分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:46

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