鼻の六兵衛 作品情報
はなのろくべえ
貧乏なために恋人のお米との仲もさかれてしまった百姓六兵衛は出世する目的で江戸に出て来た。常陸四十二万石の有馬家には家重大の宝物である忠と染めぬいた白旗が伝わっていたが、旗にしみがついたので江戸の染物屋に出してあった。悪家老田辺は、その旗がなくなれば殿が切腹、お家は断絶になることを知り、お家乗っとりを企て、その手始めに悪漢の龍五郎に命じて旗を盗ませようとした。ところが旗は手ちがいから、丁度染物屋の下を通った六兵衛のふところに入り、何も知らない六兵衛はその旗を、折から見つけた赤ん坊の捨て児のおしめにしてしまった。目明し仁助は有馬家の旗紛失事件をきき手柄を立てようとしていた。仁助は芝増上寺の境内で六兵衛に会い、そのあまりの善良さにほだされて家に引きとった。仁助は六兵衛が異常な嗅覚を持っていることを知り、旗の捜索にそれを利用することにした。一方、おしめになった旗は転々として一度は龍五郎の手に入るが、子供が遊び道具に持ち出してしまい、とうとう増上寺門前の乞食の着物のつぎめに使われてしまった。それを見つけたのが、田辺の奥方で早速取り戻した。一足おくれて乞食を嗅ぎあてた六兵衛はすでに旗が持ち去られたのを知ると、順々にその行方を嗅ぎあて、とうとう田辺左近の屋敷に入ってしまった。やがて田辺の邸内で急を知ってかけつけた有馬家の応援も加え、六兵衛と仁助、悪人達との珍妙な活劇が展開された末、旗は無事に有馬家に戻った。六兵衛は武士にとり立てられ、願望通り故郷に錦を飾ることが出来た。お米が喜んだことは無論である。
「鼻の六兵衛」の解説
故一堺漁人の原作を、「けちんぼ長者」の中田竜雄が脚色し、「流星空手打ち」のコンビ津田不二夫が監督、福島宏が撮影を担当。主なる出演者は、「ますらを派出夫会」の榎本健一、「警視庁物語 逃亡五分前」の星美智子、「拳銃対拳銃」の神田隆など。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:津田不二夫
原作:一堺漁人 出演:榎本健一 於島鈴子 星美智子 吉川英蘭 杉義一 曾根秀介 杉狂児 植松鉄男 藤井貢 初音麗子 深見恵子 小野保 須藤健 牧幸子 原国雄 江島譲 山田圭介 桧有子 佐山二三子 真藤孝行 神田隆 高原秀麿 明石潮 沢彰謙 若木悦子 藤里まゆみ 大東良 |
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制作国 | 日本(1956) |
上映時間 | 57分 |
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