わたしを深く埋めて 作品情報
わたしをふかくうずめて
弁護士の中部京介は、二週間の九州旅行の予定を一週間でくりあげ、東京へかえって来た。都会の喧噪が恋しくなったのだが、株の暴落で自殺者が出るなど、相変らず東京は騒々しかった。その中部が、アパートの自分の部屋に入ると、ミッチイ丘と名乗る下着姿の女が彼を待っていた。そしてあやし気なカメラマンが情事の写真をとりにやって来た。これをてっきりアパートの鍵を貸している妻千津と別居中の幼なじみの芥川一郎のいたずらだと思い込んだ京介は、持参のブランデーに酔った女を車に乗せて追っぱらった。そのあとへ吉川というチンピラが女をかえせと飛び込んで来た。吉川もかえり、睡眠薬を飲んで寝た京介は、刑事にたたきおこされた。ミッチイが死んだというのである。ブランデーに毒が入っていたのだ。芥川をさがした京介は、これが千津にキズをつけないための狂言だということを知った。ではだれがミッチイを殺したのか。芥川からの依頼でこの狂言を仕組んだ玉井弁護士の言葉から、ミッチイが自動車事故で急死した百万長者徳丸氏の遺産相続の重大な証人であることがわかった。真犯人を追求する京介のもとに脅迫状がとどき、そのアパートで芥川が何者かに射殺された。そしてその犯人として、暗黒街のボス郷田があげられた。彼は徳丸夫人のもとの夫で、保釈中の身にもかかわらず旅行をしたのをミッチイに知られ金をユスラれたためこれを殺し、それを聞いたと思った京介を狙い、誤って芥川を殺したというのである。ところが、事件が解決、乾杯した京介の部屋からもってきたウィスキーに毒が入っていた。故意に殺されたと思われていたミッチイは実は誤って殺され、芥川こそほんとうに殺されたのだ。そして殺したのは千津だった。千津は離婚の慰謝料としてもらうはずだった株が暴落したので、夫を殺してすべてを手に入れるつもりだった。そしてあくまでも真相を追求するという京介まで殺そうとしたのだ。毒をあおった千津は、京介に、罪ぶかいわたしを深くうずめて--といい息たえたのだった。
「わたしを深く埋めて」の解説
ハロルド・Q・マスル原作を「第三の影武者」の井上梅次が脚色・監督したスリラーもの。撮影は「やくざの勲章」の渡辺徹。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:井上梅次
原作:ハロルド・Q・マスル 出演:若尾文子 田宮二郎 川崎敬三 江波杏子 村上不二夫 安部徹 北原義郎 守田学 浜田ゆう子 中原健 大川修 紺野ユカ 星ひかる 中田勉 響令子 竹村洋介 原田玄 中条静夫 ジョー・オハラ 伊東光一 田中三津子 小山内淳 飛田喜佐夫 竹内哲郎 大塚弘 須藤恒子 花井弘子 杉森麟 小杉光史 藤江津子 |
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配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1963) |
上映時間 | 94分 |
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