赤い影法師 作品情報

あかいかげぼうし

関ケ原の合戦に石田三成が敗れて十五年、豊臣秀頼との決戦避けがたしと知った徳川家康は伏見城に入った。その夜、警護の伊賀三十六人衆の筆頭服部半蔵は、木曽谷の女忍者を捕え、これを犯した。時は流れて家光の世、江戸の盛り場に母子の手品師が現れた。母はまぎれもなくあの時の女忍者である。母子は三成の娘母影と孫の若影で、仇討の機をうかがっているのだ。旗本水野十郎左衛門の屋敷で、若影は家光が御前試合を開くことを知った。その勝者には太閤倉から奪った無銘剣十振が与えられるという。御前試合の勝者は同じ賊に襲われ、切尖をもぎとられた。柳生十兵衛までが不発を喫した。こうした事態に指南役柳生宗矩、小野次郎右衛門は非常体制を敷いた。春日局が推挙する巴流薙刀の遠藤由利が無銘剣を受けたとき、彼女の身辺に配置されたのが服部半蔵であった。果たせるかな、闇の中から賊が現われた。ひそんでいた半蔵と激闘数合の後、賊は奪った剣を残して逃げ去った。「あれほど母に似ていようとは……」と、半蔵は茫然と呟いた。若影にとっては初めての失敗であった。この夜、若影は母から、十振の剣の一本に三成が軍資金の隠し場所を記していることを聞かされた。その後、菅沼新八郎の屋敷を襲った夜、若影は半蔵と母の会話で自分の父が誰かを知った。由利の持つ剣こそ目当ての品であった。母子は伊賀流忍者を蹴散らして、由利の剣を手に入れた。将軍家恒例の鷹狩りの日、若影は母と由利を連れて、家光の命を狙った。若影の放った火が枯野に拡がる中で、若影と半蔵が対決した。石田、徳川の意地をかけた戦いに双方血まみれとなった。「それまで!」と叫んだのは、柳生十兵衛。互にとどめを刺せない父と子の心持を知って、十兵衛はとめに入ったのだ。そして、父子は静かに剣をひいた……。

「赤い影法師」の解説

週刊文春に連載された柴田錬三郎の同名小説を、「八荒流騎隊」の比佐芳武が脚色。「若君と次男坊」の小沢茂弘が監督した忍法もの。撮影は「右門捕物帖 まぼろし燈篭の女」の吉田貞次。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督小沢茂弘
原作柴田錬三郎
出演大川橋蔵 木暮実千代 近衛十四郎 平幹二朗 大川恵子 花柳小菊 望月健佐 河村満和 楠本健二 加藤浩 香川良介 有馬宏治 沢村宗之助 時田一男 黒川弥太郎 玉喜うた子 西崎みち子 国一太郎 品川隆二 大河内傳次郎 沢村訥升 戸上城太郎 南郷京之助 神木真寿雄 堀正夫 京町かおる 高橋漣 吉田義夫 水野浩 原健策 大友柳太朗 里見浩太朗 三笠のり子 富永佳代子 矢奈木邦二郎 明智八百栄 山田光子 東野英治郎 山城新伍 小田部通麿 津村礼司 鈴木金哉 大丸巌
配給 東映
制作国 日本(1961)
上映時間 91分

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最終更新日:2023-03-03 16:03:09

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