蘇える金狼(1979) 作品情報

よみがえるきんろう

朝倉哲也、二十九歳。表向きは資本金十五億円の東和油脂本社経理課に勤める平凡なサラリーマンだが、いつの日か、この会社を乗っ取ってみせるという野望に燃えている。そのため、表面は真面目な会社員のポーズを装い、勤務後は、週二日はボクシングジムに通っている。その腕前は、コーチの野沢が是非試合をやらせたいと思うほどのものだが、朝倉は、試合に勝って有名になっては元も子もないので、何とか、その申し出を断っている。朝倉は、ある日、共立銀行の現金輸送車を襲い、九千万円を奪い取るが、その札は、ナンバーが銀行に登録されていて使えない。朝倉は、横須賀に出かけ、その札を麻薬に替え、それを再び安全な紙幣に替えた。朝倉は、手に入れた麻薬で、会社の上司小泉部長の愛人、永井京子を手なずけた。暫くして、朝倉は、会社幹部たちの横領事件をネタに、桜井という男がゆすりに来ていることをつきとめた。要求金額は五千万円、背後には、経済界の黒幕、鈴本光明が控えていた。京子から情報を得ていた朝倉は、会社が桜井へわたした内金二千五百万円を奪い取る。会社に金を取り返されたと思って激怒した桜井は、改めて二億円を要求。朝倉は、巧妙な手段で自分の秘めた力を幹部に示すと、桜井を消す仕命を受ける。朝倉は見事に任務を果たすが、幹部たちは、秘密を知った朝倉を消そうと殺し屋を放つが、反対に殺されてしまう。そして、ついに朝倉は、社長令嬢の絵理子と婚約することに成功する。会社の頂点まで、あと一歩と迫ったのだ。その頃、嫉妬に燃える京子は、ある決意をしていた。一方、朝倉は、京子との海外旅行を計画、二人分の旅券を持って京子の部屋に入った。京子は、薬を飲むと、朝倉の腹に鋭利な刃を突き刺した。息絶えた京子を後に、朝倉はよろめきながらも、出国手続を済ませた。数分後、飛行機は離陸した。スチュワーデスが客席を廻っていると、出血し、息絶えた朝倉の身体が横たわっていた。

「蘇える金狼(1979)」の解説

昼間は平凡なサラリーマンを装いながらも、夜になると、身体を鍛え巨大資本乗っ取りを企む男の姿を描く。大藪春彦の同名の小説の映画化で、脚本は「肉の標的・奪う!」の永原秀一、監督は「白昼の死角」の村川透、撮影も同作の仙元誠三がそれぞれ担当

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1979年8月25日
キャスト 監督村川透
原作大藪春彦
出演松田優作 風吹ジュン 佐藤慶 成田三樹夫 小池朝雄 草薙幸二郎 河合絃司 加藤大樹 岩城滉一 加藤健一 真行寺君枝 千葉真一 安部徹 椎谷建治 江角英明 結城しのぶ 吉岡ひとみ 岸田森 高橋明 待田京介 トビー門口 南原宏治 村松克巳 猪狩元秀 田畑靖男 野性軍団 今井健二 阿藤海 山西道広 飯田敏之 久米明 団巌 角川春樹 榎木兵衛 中島ゆたか
配給 東映
制作国 日本(1979)
上映時間 131分

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-17

古臭い、笑えるとつぶやきつつ、つい引っ張られて観てしまう。
村川透監督の「蘇る金狼」はそんな映画だ。

1979年の公開だから、描かれる風俗が古臭いのは仕方がない。
大藪春彦の原作も、劇画的な展開が顕著な一気読み小説だった。

話は典型的なピカレスクロマンだ。主人公の朝倉(松田優作)は、東和油脂の経理部に勤めている。
七三分けの長髪と黒縁の眼鏡。だが、夜の朝倉は狼だ。
ジムでサンドバッグを叩く彼の上半身には、見事な筋肉が盛り上がっている。

朝倉は銀行から輸送中の現金を奪い、金を麻薬に換え、麻薬を使って女を操り、甘い汁を吸いたい放題の会社中枢部へにじり寄って行く。

つまり、この映画は悪党のオンパレードだ。悪には悪を、毒には毒を。

法も正義も介入しない伏魔殿で、社長(佐藤慶)や部長(成田三樹夫)や次長(小池朝雄)や議員(南原宏治)や強請屋(千葉真一)や私立探偵(岸田森)らが果てしない暗闘を繰り広げる。 まるで怪優たちのオールスター・ゲームではないか。 そして、饗宴の中心で強力な磁力を放つのが、松田優作だ。 団塊の世代に属する日本映画の俳優で、運動神経や身体能力に彼ほど自覚的な人はいなかった。 だからこそ、優作の「狂気芝居」は、きわどく成立する。 東京湾第二海堡で撮影されたアクション・シーンの速さは、優作の動きと、カメラマンの仙元誠三の力量に負うところが大きいと思う。

最終更新日:2024-07-05 02:00:05

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