詩雨おばさん 作品情報
しうおばさん
品川の大井町で小さなホルモン屋を営む詩雨おばさんは、いつも息子からの手紙を心待ちにしていた。息子・詩雨はソウルの大学に留学したが、「スパイ国家顛事件」の容疑でKCIA・韓国当局に一年前に逮捕され、抱留されていた。詩雨おばさんは、手紙が着くたびに、詩雨の心暖まる言葉に涙を流すのだった。そんな彼から、少々きついが元気で頑張っていると、久し振りに手紙が届く。詩雨おばさんは、御用民団の幹部や、親戚の人に反対されながらも、貯めた金をそっくり「救援の人々」に手渡してしまう。ある日、詩雨おばさんに、詩雨の死亡通知が届く。届けてくれたのはT氏であった。彼は在日韓国人の商社マンであり、本国の親戚と妻を人質にとられているという。またT氏が良心の苛責にたえかね告白するところによると、詩雨は残忍な拷問の果て、むごたらしく射殺されたとのことであった。詩雨おばさんはむしろT氏をなぐさめ、勇気づけて、帰した後、酒を飲みほした。しかし、くやしさと哀しみをこらえられず、涙が頬をつたい、唇をぬらしていくのだった。翌日、詩雨おばさんは、いつもと変らない様子で買出しをして店を開け、午前中一番の郵便を今日もかわらずに待ち続けるのだった。
「詩雨おばさん」の解説
「異邦人の河」の李学仁監督の第二作目。ソウルに母国留学していた在日韓国人学生がKCIAに逮捕され、惨殺されるまでと、彼の母の悲哀を描く。脚本・監督は李学仁、撮影は中村賢二郎がそれぞれ担当。(16ミリブローアップ35ミリ)
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1977年9月24日 |
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キャスト |
監督:李学仁
出演:馬渕晴子 志賀圭二郎 小林悦子 小松正方 常田富士男 坂本長利 江角英明 南雲勇助 鶴岡修 武田洋和 大林丈史 石津康彦 湯沢勉 谷本一 中西和久 ミイラユキ 岩崎信忠 伊藤浩二 堀礼文 堀内正美 粟津號 河原崎長一郎 高哲国 夕張月子 青木一久 |
制作国 | 日本(1977) |
上映時間 | 112分 |
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