修羅の群れ(1984) 作品情報
しゅらのむれ
昭和8年の冬。雪の舞う横浜浅間町の柔道 吉岡道場を、横浜四親分の一人、加東伝三郎が訪ねてきた。そこで柔道を習う稲原龍二は加東の勧めもあって、彼の若い衆になることに決めた。インテリでありながら博奕で身を滅ぼした父の仇をとるには、この道で男をあげるしかないと思ったのだ。龍二はよく働き、そんな彼に加東一家の兄貴分横山が仁侠道のイロハを教えた。ある日、売り出し中の龍二は海岸でチンピラにからまれている娘を助ける。娘の名は中田雪子、後の稲原夫人である。日本が太平洋戦争に突入した昭和15年、二人は結婚した。19年、勤労奉仕で御殿場の山北へ出かけた龍二は、伝三郎の兄弟分、横浜笹岡一家の桐原銀一郎とことを起こしてしまう。しかも、横浜四天王の一人、鶴岡政次郎の目前でだ。しかし、鶴岡は、弱い人間をかばって喧嘩した龍二を見込んで、身柄をあずかるといってくれた。戦後の混乱期の湯河原。賭場で無法をはたらいた海軍復員兵の長谷部と森谷が龍二の貫禄に圧倒され、若い衆になった。更に、モロッコの辰、井沢輝一というグレン隊あがりの暴れ者たちも次次と舎弟分となった。そして昭和24年春、熱海の山崎一家石井光之助親分の跡目を継ぎ、稲原組がうぶ声をあげた。僅か10年の間に稲原組は熱海を制覇するや、小田原、横浜、静岡へと進攻し、組員も増えた。龍二の人種差別しない心に感動した韓国人の山村修道、田上圭、五、六百人の若い衆をかかえる石河も、稲原に惚れ身内となった。組織が大きくなればなるほど上下の意志の疎通は欠けるようになり、井沢の独断専行が目にあまるようになった。横山は、彼を破門せよと迫り、龍二は断腸の思いでこれに従った。さらに不幸は襲った。龍二が親と仰いだ横山が死んだのだ。龍二は、横山のために建てた墓前で、更なる前進を誓うのだった。
「修羅の群れ(1984)」の解説
暴力の世界に身を投じた男の生生しい半生を描くヤクザ映画。「週刊アサヒ芸能」に連載中の大下英治の同名小説を「花街の母」の村尾昭が脚本化、監督は「徳川一族の崩壊」の山下耕作、撮影も同作の赤塚滋がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1984年11月17日 |
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キャスト |
監督:山下耕作
原作:大下英治 出演:松方弘樹 菅原文太 北島三郎 北大路欣也 待田京介 張本勲 木之元亮 清水健太郎 にしきのあきら 小林繁 酒井和歌子 風見章子 品川隆二 小林稔侍 市川好郎 林彰太郎 若山富三郎 丹波哲郎 小野さやか 天知茂 鶴田浩二 |
配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1984) |
上映時間 | 123分 |
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