ひとりぼっちの狩人たち 作品情報
ひとりぼっちのかりうどたち
18歳のナタリー(マリー・ジラン)は二流のブティックでマヌカンをしながら、映画女優になりたくて金持ちで影響力のある男たちのいるパーティーやカフェに出入りして媚を売っている。同棲している恋人のエリック(オリヴィエ・シトリュック)は定職につかない放蕩息子。同居人のブルーノ(ブルーノ・ピュツリュ)は孤児でエリックの腰巾着的な存在だ。だらしのないエリックはアメリカでなら高級ブティックを開いて簡単にひと旗上げられるといい、その費用集めにマリーの男人脈を使うことを思いつく。マリーに欲望を抱く中年の金持ちの家に、マリーに手引きさせて押し入ろうというのだ。ナタリーのアドレス帳から物色した最初の標的は弁護士のアントワーヌ(フィリップ・デュクロ)。男に電話してデートに誘い、計画通りなんとか彼の高級アパートで二人きりになり、そこでエリックとブルーノが侵入できるよう鍵を開けておく。そして二人が押し入り、共犯を隠すためマリーを縛って別室に連れていき、男を脅して金を出させる。だが今時の金持ちがそうそう現金をたくさん家に置いているはずがなく、ブルーノが弁護士を射殺する。それを別室で聞いているマリー。実入りは予定よりもずっと少なかったが、幸い警察もよもや自分たち素人が犯人とは思っていない様子で、男二人は今度こそとまたしても強盗を計画する。標的は実業家のアラン・ペレズ(リシャール・ベリ)。その自宅も最新のビデオ・プロジェクターまである豪勢なものだったが、彼は事業に失敗し、すべてが差し押さえ直前だった。殺すのは今度はエリックの番だが、同じユダヤ人を殺せるのか、と迫られて迷い、最後には半ば錯乱して相手をナイフで滅多刺しにする。警察の捜査は確実に進んでいた。ある朝マリーは事情聴取に呼び出される。証拠はすべてそろっていた。マリーの自白で、警察がアパートのエリックとブルーノを急襲する。すべてを自白したマリーは、無邪気な顔で「さあ、全部話したわ。いつ帰っていいの?」と聞く。
「ひとりぼっちの狩人たち」の解説
84年にパリで三人の若者が起こした実際の強盗殺人事件に材をとり、舞台を90年代に置き換えて無軌道な若者たちの青春像と、彼らがたどる悲惨な末路を描いた衝撃的な犯罪ドラマ。監督・脚本は「ダディ・ノスタルジー」「田舎の日曜日」のベルトラン・タヴェルニエ。製作は「素顔の貴婦人」のルネ・クレトマンと『L627』(日本では映画祭上映)のフレデリック・ブルブロン。モルガン・スポルテの実録小説(邦訳未訳)をもとに、脚本を監督とその前夫人コロ・タヴェルニエ・オヘイガンが共同で執筆。撮影は『L627』のアラン・ショカール。音楽はフィリップ・エム、編集はリュス・グルネンヴァルト、録音はミシェル・デスロワ、ジェラール・ランプ。3人の若者役にマリー・ジラン、オリヴィエ・シトリュック、ブリューノ・ピュツリュ。ほかに「無伴奏『シャコンヌ』」のリシャール・ベリ、フィリップ・デュクロ、またアラン・サルド、俳優で脚本家のジャン・ルイ・リシャール(「アメリカの夜」)が顔を出している。95年ベルリン映画祭金熊賞受賞。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1995年10月14日 |
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キャスト |
監督:ベルトラン・タヴェルニエ
原作:モルガン・スポルテ 出演:マリー・ジラン オリヴィエ・シトリュック ブリューノ・ピュツリュ リシャール・ベリ フィリップ・デュクロ マリー・ラヴェル クロチルド・クロー クリストフ・オダン Jean Paul Comart Philippe Helies アラン・サルド フランソワ・ベルレアン Isabelle Sadoyan Laurent Arnal ジャンヌ・グーピル |
配給 | アルバトロス・フィルム |
制作国 | フランス(1995) |
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