妖婦 作品情報

ようふ

時は一六八四年の英國、チャールズ二世の御代であった。美しいイングランドの荘園マリヨット・セルスには、サー・ラルフがスケルトン家の若き主人としてこの地方の信望を負っていた。屋敷には三人の遠縁に当る老嬢と、孤児になって以来ひきとられ、サー・ラルフが妻にしようとしている美しいキャロラインが同居している。ところがある日、キャロラインの従姉バーバラ・ワースがやって来た。バーバラは美しい緑色の眼をした女であった。田舎育ちの純なサー・ラルフは、バーバラの美しさと手練にたぶらかされ、キャロラインが着るはずの婚礼衣裳は、バーバラが着ることとなった。家政に全然無関心のバーバラは、キャロラインを家政婦代りに居てもらったが、すぐに荘園生活にあきてしまう。そして屋敷の離れから地下道の抜け道を発見すると、そこに一人寝ることとし、夜な夜な黒衣をまとうて街道に追はぎを働き始める。ところが追はぎは彼女だけでなく、キャプテン・ジャクソンと呼ばれる本職がいた。バーバラは彼と鉢合せをして以来協同で強盗をしては夜を徹して彼との愛欲に身を任せていた。ある夜、強盗をしていてバーバラは誤って人を殺したが、彼女の夜遊びはついに家僕ホガースに発見された。ホガースは彼女が改心したとちかうので口外せぬと約束する。バーバラはわざわいの根を絶つためにホガースを毒殺してしまう。サー・ラルフはバーバラの本心を知ると迷がさめ、本当に愛するのはキャロラインであることを覚る。バーバラはホガースを殺して再び夜遊びに出かけて、ジャクソンが新しい女とたわむれているのを見ると嫉妬し、彼を裏切ってサー・ラルフに捕縛させる。ジャクソンは縛り首の刑に処せられることとなるが、群集の騒ぎを利用して巧みに逃げ、バーバラをおどして愛の復活を迫った。バーバラはキット・ロクスビーに愛を感じ始めていたので、ジャクソンをも射殺してしまう。キットはキャロラインと婚約していたが、バーバラは再び彼をも奪うべく、その邪魔になる夫サー・ラルフを、街道に待伏せて射つが射損じ、彼女自身がキットに射たれて致命傷を負い、キットの愛を求めつつ絶命した。

「妖婦」の解説

「愛の物語」「灰色の男」と同じくレスリー・アーリスが監督に当ったマーガレット・ロックウッド主演映画で、「第七のヴェール」「灰色の男」のジェームズ・メイソン、「愛の物語」「七つの月のマドンナ」のパトリシア・ロック、「ヘンリー五世(1945)」のグリフィス・ジョーンズが共演する。脚本はマグダレン・キング・ホール作の小説からアーリス自ら執筆、ゴードン・グレノンとエイミー・スチュアートが台詞を加筆した。撮影はジャック・コックスの担当。なお助演者は「キャラバン」のジーン・ケント「ヘンリー五世(1945)」のフェリックス・エイルマー、マイケル・レニー、エニッド・スタンプ・テイラーらである。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督レスリー・アーリス
原作マクダレン・キング・ホール
出演マーガレット・ロックウッド ジェームズ・メイソン パトリシア・ロック グリフィス・ジョーンズ ジーン・ケント フェリックス・エイルマー マイケル・レニー エニッド・スタンプ・テイラー フランシス・リスター
制作国 イギリス(1946)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:56

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