ギャンブルの王様 作品情報
ぎゃんぶるのおうさま
アントワーヌ男爵(J・ギャバン)は中年をとうに過ぎた年頃だが、上流社会ではもっぱらプレイ・ボーイで通っていた。が、ふところはいつも寒くばくちの稼ぎが唯一の収入財源だった。今年も例車の如く社交場へやって来た男爵だが目が出ず、手数料かせぎにヴィラマイヨール侯爵のヨットを売りつけようとやっきになっていた。ある日、十年前に喧嘩別れをした昔の恋人ペルル(M・プレール)に会った。彼女は現在アラビアのサドカン王子の愛妾になっており、男爵は面白くなかったが一文無しではどうしようもなかった。ところがある日、男爵は競走馬のセリ売りで彼の親友が売りだした馬をサドカン相手にセリ上げ、べらぼうな高値で売りつけ、また賭博場でサドカン相手にばくちを打ち大賭けに成功した。おまけにその晩、ヴィラマイヨール侯爵から申し込まれたカード勝負でもツキにツイて、なんと一千百万フランもの大勝を博した。困った侯爵は負けた金の代りにオランダの港においてある、例のヨットを引き取ってくれるよう頼み、不足分はあとから為替で送金すると約束した。今や意気揚々たる男爵はペルルを強引にサドカンと別れさせると、オランダへ二人だけの船旅に向った。水入らずの船旅は至極快適だった。が、万事都合よくは運ばなかった。侯爵から送ってくるはずの為替が来ないのだ。そのためフランスの片田舎で立往生してしまう始末。すると、村の酒造家モーリスがペルルに一目ぼれして結婚を申込んだ。男爵はペルルの幸福のため二人に結婚をすすめた。ひとりぼっちになった男爵を食事に招いてくれたのは、安カフェの女主人マリアだった。やがて待ちに待った二百万フランだけが到着した。そして粋な船長服に身をかためた男爵は、マリアを後に気ままな船旅に出るのだった。後には涙ぐんだマリアが、いつまでもいつまでも見送っていた。
「ギャンブルの王様」の解説
フランスの小説家ジョルジュ・シムノンの原作『水門の男爵』をモーリス・ドリュオンが脚色し、「フランス女性と恋愛」(思春期)のジャン・ドラノワが監督した人情喜劇。撮影は「情報は俺が貰った」のルイ・パージュ、音楽は「素晴らしい風船旅行」のジャン・プロドロミデス。出演者は「面の皮をはげ」のジャン・ギャバン、「電話に御用心」のミシュリーヌ・プレール、ジャン・ドザイ、ジャック・カストロ、ブランシェット・ブリュノワなど。製作はクロード・オースール。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ジャン・ドラノワ
原作:ジョルジュ・シムノン 出演:ジャン・ギャバン ミシュリーヌ・プレール ジャン・ドザイ ジャック・カストロ ブランシェット・ブリュノワ ジャン・コンスタンタン |
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配給 | 大映 |
制作国 | フランス(1959) |
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