二都物語(1957) 作品情報
にとものがたり
優れた才能を酒に溺れさせるロンドンの弁護士シドニー・カートン(ダーク・ボガード)は、ルシー・マネット(ドロシー・テューティン)を愛したが、彼女は彼と瓜二つの亡命フランス貴族チャールズ・ダーネイ(ポール・ゲール)と結婚した。貴族の圧制に対する不満の高まるパリで、憎悪を一身に集める従兄のサン・テヴレモンド侯爵をきらって、ダーネイは英国に名をかえて亡命していたのである。しかし、ルシーの父マネット医師が、かつて十八年間も従兄の侯爵のためバスチーユの獄にあった身とは知るよしもなかった。マネット医師は釈放の後、パリで酒場をやるもとの召使デファージュに助けられ、旧友ジャーヴィス・ロリイ(セシル・パーカー)の力で娘と再会、ロンドンで生活していたのだった。そのころ、パリではサン・デヴレモンド侯爵が名もない一市民に暗殺されたのを機として、暴徒と化した民衆の蜂起により、革命が起り、旧い制度は葬られ、その下に恩恵をうけた人間が続々と断頭台に送られていた。侯爵の召使ガベルとその娘マリー(マリー・ヴェルシニ)が、貴族に仕えていたというのみの理由で獄に送られたのを知ったダーネイは、危険をおかして単身パリに急行したが、自身も貴族の故をもって捕えられた。ルシー父娘と召使プロスは、弁護士カートンに同行をたのんで裁判に急ぎかけつけ、老医師がバスチーユの受難者であることを証明して、ルシーの夫ダーネイを無罪にした。しかしデファージュ夫人により、侯爵の暴虐を訴える老医師自身の昔の手紙が反証として提出され、再びダーネイは死刑となった。絶望に沈むルシーの姿に、カートンは今こそ酒に溺れた生活の償いの時のきたのを悟り、容姿の似ていることを利用してダーネイの身代りとなり、彼をルシー父娘と共に英国に逃し、自からは断頭台に立った。
「二都物語(1957)」の解説
チャールズ・ディケンズの小説『二都物語』の、「キャンベル渓谷の激闘」のラルフ・トーマス監督による映画化。脚色は「乱闘街」の才人T・E・B・クラーク。一九一七年のフランク・ロイド作品、二七年のハーバート・ウイルコックス作品のサイレント時代から、トーキーとなって三五年のジャック・コンウェイ作品(邦題「嵐の三色旗」)に次ぐ四度目の映画化。撮影監督は「スピードを盗む男」のアーネスト・スチュワード。音楽は「情熱の友」のリチャード・アディンセル。主演するのは「キャンベル渓谷の激闘」のダーク・ボガード、「三文オペラ」のドロシー・テューティン、「マダムと泥棒」のセシル・パーカー、新人ポール・ゲール、マリー・ヴェルシニ等。これを助けて「哀愁のモンテカルロ」のスティーブン・マレイ、「キャンベル渓谷の激闘」のアシーン・セイラー等が助演。製作ベティ・E・ボックス。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ラルフ・トーマス
原作:チャールズ・ディケンズ 出演:ダーク・ボガード ドロシー・テューティン セシル・パーカー ポール・ゲール マリー・ヴェルシニ スティーブン・マレイ アシーン・セイラー イアン・バネン アルフィー・バス アーネスト・クラーク ロザリー・クラッチリー フリーダ・ジャクソン ダンカン・ラモント クリストファー・リー レオ・マッカーン |
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配給 | 東和 |
制作国 | イギリス(1957) |
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