ベン 作品情報
べん
孤独な青年ウィラードによって飼いならされたねずみの大集団のボス“ベン”--。奇妙な友情で結ばれていた、このねずみと人間の間に生じた突然の亀裂はウィラードがベンを裏切ったことから始まる。ウィラード殺害の犯人はねずみであることが、巡査部長カートランド(J・カンパネラ)を悩ました。この信じられない事件は続いて発生した。ウィラードの家宅を捜査中の警官がベン一族の巣を発見し、ねずみに殺害されてしまったのだ。町の住民の恐怖をよそに、ダニー少年(L・H・モンゴメリー)だけは、ねずみの脅威に何の反応も示さなかった。ダニーは心臓手術を受けたばかりで、その経過は母や姉のイブ(M・バクスター)を心配させていた。ダニーもまた幼な心に死の危機を予知し、孤独だった。そんなダニーの心の空白を1匹のねずみが生めた。1切れのパンで知り合った少年とねずみの交遊は密かに進んで入った。少年はねずみに、全てを話せる友を求め、ねずみは純粋な少年に裏切ることのない信頼を見いだした。だから、ダニーはねずみの名前があの悪名高いベンと知ってもなお暖かい愛情を贈り、友情の証に「ベンの歌」を作って捧げた。生きるためには人間を敵とするベンもまた、ダニーだけは別格だった。ベンはダニーを秘密の棲家へも案内した。一方、ねずみの駆除に全力を挙げるカートランドでは、下水道の掃除作戦を計画していた。消防士や警官が地下一帯に配置され、ベン一族の危機は迫った。それを知ったダニーは1死を賭けてベンのもとに走ったがすでに遅かった。ベンとその輩下のねずみに容赦なく浴びせられる散弾銃や火炎放射器。もうダニーにはベンを救うすべはない。火に包まれた下水道--死なないでベン!ダニーの部屋の片隅に、傷つき血にまみれたベンが這い寄った。駆け寄るダニーを振り仰いだベンの眼は涙に光っていた。少年は確かにねずみの涙を見た、と思った。ベンに頬づりする少年の瞳は、幼いものとは思えない力強さにあふれていた。
「ベン」の解説
街をパニック状態に陥し入れる恐怖のねずみベンと孤独な少年ダニーの間に芽生えた友情を描く。「ウイラード」の続編。製作はモート・ブリスキン、監督は「要塞」のフィル・カールソン、スティーブン・ギルバードの原作をギルバート・A・ラルストンが脚本化した。撮影はラッセル・メティ、音楽はウォルター・シャーフが各々担当し、「ベンのテーマ」をマイケル・ジャクソンが歌っている。出演はリー・H・モンゴメリー、ジョセフ・カンパネラ、アーサー・オコンネル、メレディス・バクスター、カズ・ガラスなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1973年1月7日 |
---|---|
キャスト |
監督:フィル・カールソン
原作:スティーブン・ギルバート 出演:リー・H・モンゴメリー ジョセフ・カンパネラ アーサー・オコンネル メレディス・バクスター カズ・ガラス |
配給 | NCC |
制作国 | アメリカ(1972) |
上映時間 | 94分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、3件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-11
この映画「ベン」は、ねずみが人間を襲う動物パニック映画「ウイラード」の続篇で、生き残ったねずみのリーダー、ベンと心臓病で体の弱い少年の奇妙な友情がテーマになっている。
この映画は、マイケル・ジャクソンが歌う主題歌が大ヒットした事でも有名になった作品です。
この映画は、前作の「ウイラード」よりもずっと面白かった。
というのは、ねずみの大群の活躍が、前作よりずっと広範囲で、監督も重いダニエル・マンからアクション専門のフィル・カールソンに代わって、見せ場をたっぷりこしらえているからだ。
もちろん、こういう題材だから、ご都合主義的なところも多い。