P.N.「無名投稿者」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2026-10-03
この作品は視聴者の立ち位置や年齢によって評価が分かれるかと思います。二人の主人公のどの立場で生きてきたかで見方は大きく変わります。片方は途中で過度な恐怖を覚え、もう片方は最後の展開に割り切れなさを感じるかもしれません。ただ、大なり小なり両方の立ち位置に触れたことがある身としては、その心情の緻密さに驚嘆します。また、心情の緻密さを支えているのが、たんなる懐古趣味ではなく、丁寧に描かれるその時代の空気です。人物描写にはある程度の普遍性がありますが、この時代を経験した世代でないと共感にまでは達しないかもしれません。ある意味対象を絞っていますが、その対象に当てはまると全く違和感なく、まるで自分ごとのように作品を視聴できるかと思います。結局大きなカタルシスはなく、消化不良感はあるかもしれません。ただ、忘れることで乗り越える、覚えていることで全てを嘘にしない、そうやって今日を生きていくという未来へのわずかな希望を感じることができる作品でした。
