片思い世界 作品情報
かたおもいせかい

現代の東京の片隅。美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)は、仕事に行ったり、学校に行ったり、アルバイトに行ったりしながら、古い一軒家で一緒に暮らしている。家族でも同級生でもないが、お互いを思い合いながら他愛のないおしゃべりをして、楽しく気ままな3人だけの日々を過ごしていた。もう12年、強い絆で結ばれているそんな彼女たちの、誰にも言えない片思いとは……。
「片思い世界」の解説
「花束みたいな恋をした」の土井裕泰監督と脚本家・坂元裕二が再び組み、広瀬すず、杉咲花、清原果耶を主演に迎えたヒューマン・ドラマ。美咲、優花、さくらは、家族でも同級生でもないが、東京の片隅にある一軒家で楽しく気ままな3人だけの日々を過ごしている。12年間一緒にいる彼女たちの、誰にも言えない片思いとは……。悩み迷いながら優しさを失うことなく前を向く3人の希望の物語を紡ぐ。
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公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2025年4月4日公開予定 |
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キャスト |
監督:土井裕泰
出演:広瀬すず 杉咲花 清原果耶 横浜流星 |
配給 | 東京テアトル=リトルモア |
制作国 | 日本(2025) |
上映時間 | 126分 |
公式サイト | https://kataomoisekai.jp/ |
(C)2025『片思い世界』製作委員会
予告編動画
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ユーザーレビュー
総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。
P.N.「kamakurah」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2025-03-20
広瀬すず、杉咲花、清原果耶、奇跡のトリプルキャストが話題の映画『片思い世界』は『花束みたいな恋をした』の坂元裕二脚本・土井裕泰監督コンビが再びタッグを組んで、旬の女優たちをどう魅せてくれるか、という映画ファン必見の一本である。今でなければ撮れない3人の「現在」がどうスクリーン映し出されているか、そここそが注目されるべき作品となっている。
とりわけ注目は広瀬すずである。年明けて、まずはNetflixで是枝裕和監督の『阿修羅のごとく』で、かつて風吹ジュンが和田勉演出で完璧なキャラクターデザインを体現した四女役に挑み、その勢いそのままに根岸吉太郎監督により指名され『いきてかへらぬ』で中原中也、小林秀雄を翻弄する伝説の女性長谷川泰子に扮したことで、今、間違いなく女優として大きな転機にあることを知らしめた。そのことを重ねると、本作での役どころはきわめて重く、おそらく今回が最後の制服姿になるのではないかと思われる。早くから果敢に取り組み始めている自身のイメージの刷新増幅が開花し、実を結ぼうとしているこのタイミングでの本作公開は、いつか振り返った時、広瀬すず最後の少女像として記憶に刻まれるものとなるかも知れない。同世代で学年一つ上の杉咲花はすでに役柄の幅としては先行して広げている感があるし、清原果耶にはまだしばらくの間がある。そのように思い深めて画面を見つめていると、広瀬すずにとどまらず三人三様の女優の「旬」が自ずから炙り出され、物語の進展とともに見えてくるものが広範で興味深いものとなる。トリプルキャストが「奇跡」と称される所以である。
これに大河ドラマ、今年の日本アカデミー賞主演男優賞等、今をときめく横浜流星が絡んでくる。話題沸騰、確実である。加えて内実を仔細に観ると小道具の揃えも秀逸で、坂元裕二らしい仕立てに様々胸を揺らされる。作品の通奏低音のようにしてある合唱曲が作中流れるが、その作詞は坂元裕二の別名義とのこと。歌詞をしかと噛み締めたい。
思いがけず置かれた状況に悩み、そこからの踏み出し方に迷いながら、それぞれの切実な思いを抱き締めようとする若い命。そのありようを見事に演じ切った明日の日本映画を必ずや支える人気女優三様の「旬」に心揺蕩う可憐な佳品である。