ブルースが聞こえる 作品情報

ぶるーすがきこえる

1945年、ユージン・モーリス・ジェローム(マシュー・ブロデリック)はミシシッピ州のビロクシ訓練所行きの列車の中で彼と同じように高校卒業と同時に徴兵された若者達と出会うが皆騒々しく、唯一文学の才能を秘めたエプステイン(コリー・パーカー)以外、彼は嫌いだった。訓練所で彼らを待ちうけていたものは猛暑と一見穏やかだが実は陰険で奇行癖をもつトゥーミー軍曹(クリストファー・ウォーケン)だった。軍曹の厳しい指導の下10週間にわたる本格的訓練が始まり、ジェローム達の唯一の楽しみは48時間の自由行動日だった。娼婦ロイーナ(パーク・オーヴァーロール)の手ほどきでめくるめく初体験を済ませ、晴れ晴れとした姿で町のダンス会場に現われたジェロームはそこでデイジー・ハニガン(ペネロープ・アン・ミラー)という美しい少女と出会い、2人は急速に親しさを増してゆく。そんな折、ジェロームの留守中に、ワイコフスキー(マット・マルハーン)が以前から気になっていた彼の日記を盗み見たことから、彼らは自分達がジェロームにどう見られていたかを知り怒りにかられる。中でもホモではないかと疑われたエプステインは大きなショックをうける。折しも訓練所内で同性愛事件が発覚し、疑惑の目がエプステインに注がれ、ジェロームは書くことの魔力を痛感する。そして事件はヘネシー(マイケル・ドラン)が犯人という思いがけない結末で幕を閉じた。ある雨の夜、泥酔した軍曹が前々から快く思っていなかったエプスティンを自室に呼び出し、そのただならぬ気配を察知したジェロームは軍曹の部屋に向かう。そこで彼は軍曹に銃をつきつけられ、明朝軍人病院に入院すること、その前にエプステインを殺したかったこと、そして死ぬ前に果たしておきたかった夢を聞かされるのだった。果たしてその夜、その夢--訓練兵の目の前での腕立て伏せを果たした軍曹は、翌朝晴れやかな思いを胸にビロクシを後にした。やがて戦争は終わり、結局ジェローム達は戦場に立つことはなかった。しかし今、彼は思うのだった、あの頃日記にはみんな嫌な奴らと書いたのに、それらは皆懐かしくもかけがえのないものであるのだと。

「ブルースが聞こえる」の解説

1945年のビロクシ訓練所を舞台に、高校を卒業したばかりで徴兵された若者たちが、2カ月間の軍隊生活の中で少年から大人へと成長してゆく姿を描く。エグゼクティヴ・プロデューサーはジョセフ・M・カラチオロとメアリーケイ・パウエル、製作はレイ・スターク、監督は「心みだれて」のマイク・ニコルズ、原作・脚本は「ニール・サイモンのキャッシュ・マンマン」のニール・サイモン、撮影は「ロッキー4 炎の友情」のビル・バトラー、音楽は「サルバドル 遥かなる日々」のジョルジュ・ドルリューが担当。出演はマシュー・ブロデリック、クリストファー・ウォーケンほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1988年9月3日
配給 ユニヴァーサル=UIP
制作国 アメリカ(1988)

ユーザーレビュー

総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2023-11-09

戦争といったら、ヴェトナム戦争で、第二次世界大戦は完全にノスタルジーになってしまった。

マイク・ニコルズ監督の「ブルースが聞こえる」の原作者も監督も、ノスタルジー以上のものを描こうとは思わなかったようだ。

スタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」という傑作を見た今となっては、この映画の訓練所も上官も、随分とのどかに見えてしまう。

ノスタルジーとしては成功しているが、上官との心理的な緊張関係の描き方が浅くて、青春成長物語としては物足りない。

最終更新日:2023-11-19 16:00:02

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