P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-08-23
これぞアメリカ映画だと言いたくなるような映画だ。
華やかなショービジネスの世界を扱い、戦場の兵士たちを活写し、夫婦と子供への愛を謳い、ライバル同士の激しい愛情を描いている。
懐かしいスタンダード・ナンバーが何曲も流れ、歴史の流れにひたることのできるこの映画には、往年のハリウッド映画の重厚さがある。
時代は、1942年から1992年までの50年間である。
戦地の慰問ショーを続ける一組の男女の歌と愛と人生を中心に、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争と、三つの戦争を滔々と描いていく。
この三つの戦争を通じて、アメリカの古き良き栄光の時代から、次第に威光を失っていく現代までの過程が描かれる。そして、赤狩りも登場する。
この映画は、戦意高揚のために戦場の兵士を慰問する二人のエンターテイナーの人生を通して見た、反戦映画の傑作だ。