フォー・ザ・ボーイズ 作品情報

ふぉーざぼーいず

往年のスターエディ&ディクシーのコンビに、全米芸術勲章が授与されるテレビ特別番組を控え、隠遁生活を送るディクシー(ベット・ミドラー)の元へ迎えにきたテレビ局のジェフ(アリー・グロス)は、彼女に会場へは行かないといわれ大慌てとなった。何とか説得を試みるジェフに向かってディクシーはエディとの出会いを話しはじめる。1942年、夫を戦場へ送り出し、4歳の息子ダニーを抱えて暮らす彼女の元に、アメリカ1のエンターテイナー、エディ・スパークス(ジェームズ・カーン)の慰問団に加われとの叔父からの伝言が届いた。ナチス空襲下のロンドンに赴いたディクシーは、エディを向こうに回す活躍ぶりをみせ、ここにミラクル・コンビが誕生した。各戦地を慰問に訪れるふたり。北アフリカで彼女は夫と再会を果たすが、それが最後の別れとなってしまった。大戦後も夫婦役を演じるコンビの人気はとどまることを知らなかったが、朝鮮戦争への慰問の際に戦いの悲惨さを目の当たりにし、打ちのめされたディクシーはエディとベッドを共にしてしまう。しかしエディが長年彼の台本書きを務めてきた叔父のアート(ジョージ・シーガル)をクビにしたことからディクシーは激怒、コンビは解消となる。その後ダニー(クリストファー・ライデル)はエディの力添えにより軍人の道を歩みヴェトナムへ向かった。落ちぶれていたディクシーはエディからヴェトナム慰問に誘われ、ダニーとの再会の思いからOKする。再会を果たしたディクシーは荒んだ若者を前に唄うが、ヴェトコンの襲撃に遭い、ダニーが命を落としてしまう。決定的な決裂までの思い出話を聞いたジェフは出演不可能と判断するが、ディクシーはテレビ局行きを指示する。しかし楽屋で再会したふたりは決裂、黄金コンビの復活はなくなったと誰もが思ったとき、ディクシーがステージに姿を現わしユーモア溢れるショーが始まるのだった。

「フォー・ザ・ボーイズ」の解説

軍隊慰問歌手ディクシー・レオナルドの半生を描く人間ドラマ。監督とエグゼクティヴ・プロデューサーは「ザ・リバー」のマーク・ライデル、製作は「フォエバー・フレンズ」のベット・ミドラー、ボニー・ブルックハイマー、マーガレット・サウス、脚本は「マンハッタン(1979)」のマーシャル・ブリックマン、「リバース・エッジ」のニール・ヒメネズ、リンディ・ローブ、撮影は「サウス・キャロライナ 愛と追憶の彼方」のスティーブン・ゴールドブラット、音楽は「ハバナ」のデーヴ・グルーシンが担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1992年3月28日
配給 20世紀フォックス
制作国 アメリカ(1991)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-08-23

これぞアメリカ映画だと言いたくなるような映画だ。
華やかなショービジネスの世界を扱い、戦場の兵士たちを活写し、夫婦と子供への愛を謳い、ライバル同士の激しい愛情を描いている。
懐かしいスタンダード・ナンバーが何曲も流れ、歴史の流れにひたることのできるこの映画には、往年のハリウッド映画の重厚さがある。
時代は、1942年から1992年までの50年間である。
戦地の慰問ショーを続ける一組の男女の歌と愛と人生を中心に、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争と、三つの戦争を滔々と描いていく。
この三つの戦争を通じて、アメリカの古き良き栄光の時代から、次第に威光を失っていく現代までの過程が描かれる。そして、赤狩りも登場する。
この映画は、戦意高揚のために戦場の兵士を慰問する二人のエンターテイナーの人生を通して見た、反戦映画の傑作だ。

最終更新日:2024-09-02 16:00:01

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