ピクニック(1955) 感想・レビュー 2件

ぴくにっく

総合評価4点、「ピクニック(1955)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-23

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

結局、彼女は自分の感情を偽り、通すことが出来ず、自分に首ったけの金持ちの息子からの求婚を拒絶し、生活の安定は望めそうもないが、熱烈に互いを愛し合うことの出来る、ウィリアム・ホールデンのもとに走り、幸福な結婚を求めることになる。

つまり、彼女は美女=愛玩物としての自分を演じることを、中途で放棄せずにはいられない存在なのだ。

自分の美しさへの確信と、そこから裏腹に生じる不安に揺れ動く、キム・ノヴァクの姿態は、やはり感動を誘わずにはいられないし、夜の闇に浮かび上がる、ピンクのドレスを身にまとった彼女の美しさがいつまでも忘れられない。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-07-23

親しげではあるが、どこか排他的なところもある、アメリカの片田舎に、突如、現れる来訪者が、歓迎されるかに見えて、結局は排除されるという筋立て、とりわけ女性が数の上で優位を占める環境に、いかにも男っぽい存在が放り込まれ、安定を誇っていた集団に、確実に、ある動機をもたらしたあげく、残酷にいたぶられる陰惨な光景は、例えばドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドのコンビによる異色作「白い肌の異常な夜」を想起させる。

「ピクニック」でキム・ノヴァクが演じた17歳の娘は、誰もが賞賛し、見惚れずにはいられない美しい娘だった。
周囲の人々も、その美しさを祝福し、温かく見守っていたし、彼女もまたそのことを充分意識し、髪の手入れやドレスの選択に余念がなかった。

だが彼女は、一方で自分が人々の視線を集め、鑑賞される人形でしかないことに悩む脆弱ささえも併せ持つ娘だったのだ。

最終更新日:2024-08-02 16:00:02

広告を非表示にするには