ヒッチャー(1986) 作品情報
ひっちゃー
どしゃ降りのテキサスの砂漠地帯を走るハイウェイ。プリマスを陸送するジム(クリスチャン・トーマス・ハウエル)は、1人のヒッチハイカーを乗せた。男の名はジョン(ルトガー・ハウアー)。最初、無口だったジョンは、突然何人ものドライバーを殺したと言い、ジムにもナイフを向ける。恐怖に震えるジムは、ジョンを路上に突き飛ばし、難を逃れ、狂喜する。翌朝、ジムの車を追い越したワゴンにジョンが同乗しているのに気付き、後を追うが、ワゴンの人間は全員殺されていた。ジムは古いガレージに飛び込んだが、電話は不通。そこにジョンが現われ、ジムのプリマスの鍵をほうり投げて、不気味に去って行った。恐怖におびえるジムは、次のガンリン・スタンドから警察に電話しようとするが、再びジョンに狙われ、ロングホーンという簡易食堂に逃げ込む。ウェイトレスのナッシュ(ジェニファー・ジェイソン・リー)に、今までのことを話しても信用してもらえそうにない。そればかりか、駆けつけた警官に、知らぬまにポケットに入れられた血のついたナイフが原因で、犯人として逮捕されてしまう。ジョンのしわざだ。身分を証明するものもない。絶望と共に、ブタ箱で一夜明かしたジムは、鉄格子の錠が開いているので牢を出ると、署内の警官全員が殺されているのを発見して驚き、パトカーを奪って脱出。ジョンの魔の手がのびてきた。再び、警官につかまるが、突然現われたジョンが、警官を殺す。ジムは、どうしてこんなことをするのだとジョンを問い詰めるが、ジョンは自分で考えろと答えるのみ。ジムは、グレイハウンドの大型バスに乗り込む。バスにはナッシュも乗っており、彼女の協力で、ジムは2人でパトカーを奪い、逃走。パトカーやヘリの追撃が始まる。からくも逃亡に成功した2人は、あるモーテルに一泊。ところが、そこにジョンが現われ、ナッシュは無残にも殺され、かけつけた警官隊にジョンは、ついに逮捕された。安堵に酔うジム。しかし護送途中でジョンは再び逃走。ジムはジョンと対決することになり、砂漠上のハイウェイで死闘の末、遂にジムはジョンを倒すのであった。
「ヒッチャー(1986)」の解説
なにげなく同乗させてしまったヒッチハイカーに、執拗にまとわりつかれる若者の恐怖を描くスリラー。製作はデイヴィッド・ボンビックとキッブ・オーマン。監督はこれがデビューのロバート・ハーマン。脚本はエリック・レッド、撮影はジョン・シール、音楽はマーク・アイスハムが担当。出演はルトガー・ハウアー、クリスチャン・トーマス・ハウエル、ジェニファー・ジェイソン・リーなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1986年5月3日 |
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配給 | 松竹富士 |
制作国 | アメリカ(1986) |
上映時間 | 93分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4.5点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-19
この映画の題名のヒッチャーとは、ヒッチハイカーのこと。
米国では、実はヒッチャーを拾うのは違反なのだが、その理由を実感できる、サスペンス・スリラーの傑作だ。
ある夜、運転中に眠気に襲われた青年が、眠気覚ましになることを期待して、ハイウェーでルトガー・ハウアー扮するヒッチャーを拾う。
だが、次第に彼は、殺人鬼の本性を現わしていく。
クリス・トーマス・ハウエル扮する無垢な青年をいたぶり、どこまでも追うルトガー・ハウアーの冷血ぶりが出色だ。
ただの殺人鬼ではなく、恐怖の化身のような、不気味な存在感を漂わせて、実に見事だ。