シルクウッド 作品情報

しるくうっど

カレン・シルクウッド(メリル・ストリープ)は28歳。ボーイフレンドのドルー(力ート・ラッセル)、レスビアン相手のドリー(シェール)と一緒に住んでいた。3人の働くカーマギー社のプルトニウム工場はオクラホマ郊外のクレッセントから10キロほどのところにありカレンはそこでプルトニウムと酸化ウラニウムを混合させ、燃料粒剤を作る機械に送り込む仕事をしていた。カレンには学生時代に駆け落ちしたピートとの間に3人の子供があり、月に一度会社を休んで子供たちに会うことになっていた。彼女が休みをとったその日、工場が放射洩れのため閉鎖された。会社側は、休みが取りたいがためのカレンの仕業だという噂を流した。ある日、カレン自身が放射能探知機に感知された。この日からカレンの様子が変わり始めた。原始力委員会のパンフレットを読み、上司の前でもプルトニウムの危険を口にする。生産向上だけを目ざす会社側にとって彼女こそが危険分子だった。案の定カレンは金属組織部へ部署換えになった。が、ここで彼女は会社の不正を発見したのである。何とそこでは、規格検査のための燃料ピン切断面の撮影ネガをマジックで修正していたのだ。これが増硝原子炉に使われれば州全体が吹っ飛ぶ破壊的事故にもなりかねない。折りしも会社側の要請で組合解散の賛否を問う投票が行なわれようとしていた。組合擁護のための活動委員に立候補したカレンはワシントンの原子力委員会本部へ飛び、会社側の不正を報告した。事を重くみた本部のポール(ロン・シルヴァー)は証拠書類を手に入れ、ニューヨーク・タイムズの記者に会うようにとカレンを説得した。カレンが工場に行くとまたもや探知器が鳴り響いた。彼女の家が徹底的に検査され、あらゆる物が汚染物として運び出された。カレン、ドルー、ドリーの3人はロス・アラモスの専門病院で精密検査を受けることになった。カレンの体内からは6Ncのプルトニウムが検出された。許容量ではあるが、保証はない。クレッセントに帰る早早、カレンはドルーが止めるのも聞かず工場へ出かけて行った。組合の会議のあと、ニューヨーク・タイムズの記者に証拠書類を渡すことになっていたのだ。待ち合わせ場所へ急ぐカレンの愛車ホンダ・シビックが後から来た車に追撃され、シビックは大破した。事故か他殺か。シビックからは証拠書類は発見されなかった。

「シルクウッド」の解説

プルトニウム工業で汚染し、謎の交通事故死を遂げたカレン・シルクウッド事件に材を取った社会派映画。製作はマイク・ニコルズとマイケル・ハウズマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはバズ・ハリスとラリー・キャノン、監督は「イルカの日」のマイク・ニコルズ、脚本はノラ・エフロンとアリス・アーレン、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、音楽はジョルジュ・ドルリュー、美術はリチャード・ジェームズが担当。出演はメリル・ストリープ、シェール。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1985年7月26日
配給 ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
制作国 アメリカ(1983)
上映時間 131分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-02-11

原子力発電所だけでなく、プルトニウム工場も、果たして安全なのか?
今なら、3.11を経験した日本人は、全員がNOと答えるだろう。

主人公のメリル・ストリープ扮する、カレン・シルクウッドは、プルトニウム工場に勤務している。

そして、工場の安全性に疑問を持ち始め---------。

この映画は、実話の映画化作品で、カレンが現実に謎の事故死を遂げているから、怖い。

だが、この映画は、警鐘をガンガン鳴らすのではなく、平凡な女性の日常を、繊細なタッチで描き、そのすぐ背後に潜む恐怖を浮かび上がらせる。

見て見ぬ振りをしないことが、死を招く、怖い世の中だ。

最終更新日:2024-02-21 16:00:01

広告を非表示にするには