サルバドル 遥かなる日々 感想・レビュー 2件

さるばどるはるかなるひび

総合評価4点、「サルバドル 遥かなる日々」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-13

友が命を懸けて撮った写真を、必死で持ち帰ろうとする彼。
愛するエル・サルバドルの女性を、アメリカへ密入国させようとして、国境警備隊に阻まれる彼。

メロドラマ仕立ての構成であるが故に、なおさら軍隊の虐殺ぶり、それを援助するアメリカ政府への怒りが痛烈に伝わるのだ。

それでいて、政府軍の兵士を惨殺しようとする、革命派の行動にも批判の目を向ける。
その冷静さとエネルギーのバランスの相乗効果が、実に見事だ。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-13

この映画は、「プラトーン」の前にオリヴァー・ストーン監督が撮った映画だ。
ストーンと共に原作・脚本を書いたのは、リチャード・ボイル。
ベトナム、北アイルランド、カンボジア、ニカラグア等の動乱の中へ身を投じ、己が目で見た戦争や革命の実態を報道し続けてきたジャーナリストだ。

この映画は、1980年に動乱のエル・サルバドルに潜入したボイル自身の発案である。
主人公にもボイルの名前が使われている。
と言っても、主人公を決してヒロイックには描いていない。
主人公は、ふしだらな生活を送っている青年。
仲間を誘って、エル・サルバドルへ飛んだのも、そんな生活を清算したかったからなのだ。

彼は思想的に、右でも、左でもない。その彼が、エル・サルバドルの現実を見る事によって、動乱そのものが、狂気の殺戮であるという事を知る積み重ねが凄い。

最終更新日:2024-06-23 16:00:02

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