オリーブの樹は呼んでいる 作品情報

おりーぶのきはよんでいる

20歳のアルマ(アンナ・カスティーリョ)は、気が強くて扱いにくい女の子。スペイン・バレンシア州カステリョン県カネットにある養鶏場で働いている。同世代のスペイン人の例にもれず、アルマも経済危機と荒廃した町を背負わされた若者の一人だ。この国の土地は隅々まで投機売買と開発で破壊され、アルマの家庭もまた崩壊していた。父ルイス(ミゲル・アンヘル・アラドレン)は、家族で細々と経営するオリーブ農園に価値を見いだせず、国が好景気の最中に樹齢2000年のオリーブの樹を売り払ってしまった。ローマ時代に植えられたその樹はアルマにとって最も神聖なものであり、アルマの祖父ラモン(マヌエル・クカラ)は、先祖代々伝わる土地からオリーブの樹が引き抜かれた時から口をきかなくなっていた。好景気も今は昔、経済危機によってルイスは、祖父の家へ戻らざるを得なかった。ぎくしゃくした父と祖父の関係が続くなか、祖父はついに食べることすらしなくなった。祖父を救うことができるのは、祖父の意思に反して売ってしまった樹齢2000年のオリーブの樹だけ。アルマはそんな思いに取り憑かれる。友人達はこの突拍子もない挑戦を諦めさせようとするが、アルマは逆に変わり者の叔父アーティチョーク(ハビエル・グティエレス)と同僚のラファ(ペップ・アンブロス)を嘘八百で丸め込み、さらには友人のウィキとアデレ、小さな町カネットの住人らまでも説き伏せてしまう。ヨーロッパのどこかに移植されたオリーブの樹を取り戻してカネットへと持ち帰る。そんな途方もないミッションを皆が受け入れてしまったのだ。こうして彼女は誰にも事実を告げることなく、計画も持たず、ほとんど無一文のままラファに50万ユーロのトラックを借りさせ、彼とアーティチョークに運転を任せてドイツのデュッセルドルフに向かう。アルマと友人達は、手放したオリーブの樹が持つモンスターのような独特の枝の形からその樹が今どこにあるか突き止める。食事をしなくなった老人と、樹齢2000年の樹を元の場所へ持ち帰るためならどんなこともいとわない孫娘のニュースは、ソーシャル・ネットワークを駆け巡り、カネットの人々を驚かせた。一方、アルマの魂胆に気づいていないアーティチョークは、自らの不運な運命に対して悪態をつきながらも楽しげにトラックを駆る。ラファはそんな彼の話に耳を傾けつつ、自らを傷つけずにいられないアルマの複雑な心境を理解しようとしていた。やがてデュッセルドルフに到着したアーティチョークとラファは、アルマが嘘をついていたことを知る。オリーブの樹を返すために3人を待っている人間などいなかったのだ。しかし同時に、この挑戦に乗り出したのが自分達だけではないことにも気づくのだった……。

「オリーブの樹は呼んでいる」の解説

ケン・ローチ監督とのコンビで知られるポール・ラヴァーティ脚本、その妻イシアル・ボジャイン監督によるヒューマンドラマ。祖父が大切にしていたオリーブの樹を取り戻すため、スペイン・バレンシアからドイツへと向かう20歳の孫娘と仲間たちの旅を映し出す。出演は、本作が映画初主演のアンナ・カスティーリョ、「マーシュランド」のハビエル・グティエレス。音楽は「マルメロの陽光」のパスカル・ゲーニュ。

「わたしは、ダニエル・ブレイク」の脚本家P・ラヴァティが脚本、彼の妻のI・ボジャイン監督によるヒューマンドラマ。経営難から樹齢2000年のオリーブの樹を売ってしまい、以後心を閉ざしている祖父。孫娘アルマは祖父を救うため、樹を取り戻そうと奔走する。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2017年5月20日
キャスト 監督イシアル・ボジャイン
出演アンナ・カスティーリョ ハビエル・グティエレス ペップ・アンブロス マヌエル・クカラ ミゲル・アンヘル・アラドレン
配給 アット エンタテインメント
制作国 スペイン(2016)
上映時間 99分

(C) Morena Films SL-Match Factory Productions-El Olivo La Pelicula A.I.E

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「PineWood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-06-10

深夜のTV放送で本編の予告編を視ました。ケン・ローチ監督組のポール・ラヴァーテイ脚本と知って、ロードショー公開中と知り観たくなります。山田洋次監督<学校>シリーズでも屋久杉の大樹を巡る旅立ちのストーリーも在ったけど…。監督がビクトル-エリセ>監督の名作<エル-スール>の少女であると言うのもお楽しみ♪

最終更新日:2022-07-26 11:03:23

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