終戦のエンペラー 作品情報

しゅうせんのえんぺらー

1945年8月30日。第二次世界大戦で降伏した日本にGHQを引き連れたマッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)が降り立つ。直ちにA級戦犯の容疑者たちの逮捕が命じられ、日本文化の専門家であるボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)は“名誉”の自決を止めるため、部下たちを急がせる。その頃、前首相東條英機(火野正平)は自ら胸を撃つが、心臓を外して未遂に終わる。マッカーサーはフェラーズに、戦争における天皇(片岡孝太郎)の役割を10日間で探れと命じる。連合国側は天皇の裁判を望み、GHQ内にもリクター少将(コリン・モイ)を始めそれを当然と考える者たちがいたが、マッカーサーは天皇を逮捕すれば激しい反乱を招くと考えていた……。大学生の頃、フェラーズは日本人留学生アヤ(初音映莉子)と恋に落ちるが、彼女は父の危篤のため帰国。あれから13年、フェラーズは片時もアヤを忘れたことはなかった。だがアヤの捜索を頼んでいた運転手兼通訳の高橋(羽田昌義)から、アヤが教員をしていた静岡周辺は空襲で大部分が焼けたという報告が届く。そんな中、フェラーズは開戦直前に首相を辞任した近衛文麿(中村雅俊)に会い、開戦の3ヶ月前、戦争回避のため秘密裏に米国側と接したが、国務省がそれを拒否したという事実を知る。調査が行き詰まり、宮内次官の関屋貞三郎(夏八木勲)に狙いを定めたフェラーズは、マッカーサーの命令書を楯に強引に皇居へ踏み込む。関屋は開戦前の御前会議で、天皇が平和を望む短歌を朗読したと語る。説得力のない証言に腹を立てて立ち去るフェラーズだったが、深夜、天皇に最も近い相談役である内大臣、木戸幸一(伊武雅刀)が現れ、天皇が降伏を受諾し反対する陸軍を封じるために玉音放送に踏み切り、千人の兵士から皇居を襲撃されたという経緯を聞かされる、だがその話を証明する記録は全て焼却、証人の多くも自決していた。戦争を始めたのが誰かはわからない。だが終わらせたのは天皇だ。フェラーズはマッカーサーに、証拠のない推論だけの報告書を提出する。マッカーサーは結論を出す前に、天皇本人に会うことを希望。異例の許可が下り、社交上の訪問としてマッカーサーに会うという建前に沿って、ついに天皇がマッカーサーの公邸に現れる。しかし、天皇は周りの誰も知らない日本の未来を決めるある一大決意を秘めていた……。

「終戦のエンペラー」の解説

岡本嗣郎のノンフィクションを基に「真珠の首飾りの少女」のピーター・ウェーバー監督が映画化した歴史サスペンス。終戦直後の日本で、マッカーサー元帥が昭和天皇を戦犯として追求する極秘調査を描く。出演は「バーニング・クロス」のマシュー・フォックス、「逃亡者」のトミー・リー・ジョーンズ、「ミツコ感覚」の初音映莉子。

マッカーサー元帥と、戦争責任に関する調査を命ぜられたその部下が、 “真実”を求めて奔走する姿を描いた歴史ミステリー。終戦直後、マッカーサーは部下のボナー・フェラーズに、この戦争の“真の意味での責任者”を探せという極秘調査を命じる。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2013年7月27日
キャスト 監督ピーター・ウェーバー
原作岡本嗣郎
出演マシュー・フォックス トミー・リー・ジョーンズ 初音映莉子 西田敏行 片岡孝太郎 羽田昌義 伊武雅刀 夏八木勲 中村雅俊 火野正平 桃井かおり
配給 松竹
制作国 アメリカ(2012)
上映時間 107分

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ユーザーレビュー

総合評価:4.63点★★★★☆、8件の投稿があります。

P.N.「キンクル伊藤」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2013-09-04

思った以上に非常に良い映画。敗戦は明治維新に匹敵する日本歴史の大きな一こま。先の大震災ではないが、敗戦であれば敗戦を粛々と受け止める日本人。本来GHQの戦犯調査のサスペンス小説の映画化であるとのこと。そこにアメリカに留学した日本女性との恋愛が描かれるのを懸念して見た。しかし日本女性の当時の家庭事情も納得できるし、マッカサー回顧録にある天皇との会見も史実に基づき興味深い。私は後世に残る日本人の心に残る格調の高い映画と思います。なかなかこれだけのフェアな映画は作れないと思います。

最終更新日:2022-07-26 11:03:29

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