危険な関係(1959) 作品情報

きけんなかんけい

外交官ヴァルモン夫妻と言えばパリの上流社会でも最も洗練されたカップルである。このカップルはまことに不思議な夫婦であった。妻ジュリエット(ジャンヌ・モロー)は、多くの男と関係をしながらも、夫ヴァルモン(ジェラール・フィリップ)を誰よりも愛していたし、夫ヴァルモンとて次々に女を変えながらも、一番愛しているのはジュリエットであった。しかも二人はお互のアヴァンチュールを報告し合うばかりか、その始末まで共謀でやっているのだ。パーティの夜、ジュリエットは別れようと考えていた愛人ジェリ・コート(ニコラス・ヴォーゲル)が若いセシル(ジャンヌ・ヴァレリー)と婚約したのを知った。一寸した復讐心から、彼女は夫ヴァルモンにセシルの純潔を踏みにじらせてからコートに渡してやろうとする。ヴァルモンはセシルがクリスマスを過ごしているメジューヴでセシルを難なく物にした。セシルはまた、金持のコートと婚約しながら、真面目なダンスニ(ジャン・ルイ・トランティニャン)と恋をささやいているチャッカリ娘でもあった。ヴァルモンはセシルを簡単に手に入れたが、メジェーヴで会ったマリアンヌ夫人(アネット・ヴァディム)に心を奪われてしまった。あらゆる手をつくして彼はマリアンヌに迫ったが、彼女は難攻不落であった。ヴァルモンの彼女に対する気持はとうとう本物の恋になってしまった。遂にマリアンヌもヴァルモンの情熱に屈した。夫のそんな変化にジュリエットはいささか驚いた。そして策をめぐらし無理矢理二人の仲を割いた。だが二人の仲にはしこりが残り、マリアンヌは夫への仕返しにダンスニを情人にしようとした。ところがヴァルモンとセシルの仲を知らされたダンスニは、怒りのあまりヴァルモンを殺してしまった。警察が事情をしらべる前に、マリアンヌは二人の間に交された情事の手紙を焼きすてようとしたが、あやまって顔にやけどをしてしまう。スキャンダルはひろまった。つめかけた新聞記者を前にして、だがマリアンヌは無惨に醜くなった顔を、昂然と上げていた。

「危険な関係(1959)」の解説

コデルロス・ド・ラクロの小説を現代化したロジェ・ヴァディム監督の恋愛心理ドラマ。ロジェ・ヴァイヤンとヴァディム自身が共同で原作を脚色。撮影にあたったのはマルセル・グリニョン。音楽はセロニアス・モンク作曲のジャズをアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャースが演奏している。出演するのは「モンパルナスの灯」のジェラール・フィリップ、「恋人たち」のジャンヌ・モロー、新人アネット・ヴァディムなど。2018年3月24日より4Kデジタル・リマスター版が公開(配給:セテラ・インターナショナル)。

1959年に映画化されたC・D・ラクロ原作の恋愛心理ドラマをデジタルリマスター上映。外交官のヴァルモン夫妻は深く愛し合いながら、それぞれアヴァンチュールを報告し合う不思議な仲。妻ジュリエットは若い愛人が婚約したことを知り、夫に彼の婚約者を誘惑させる。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ロジェ・ヴァディム
原作ピエール・コデルロス・ド・ラクロ
出演ジェラール・フィリップ ジャンヌ・モロー アネット・ヴァディム ジャンヌ・ヴァレリー ジャン・ルイ・トランティニャン シモーヌ・ルナン ニコラス・ヴォーゲル Madeleine Lambert
配給 新外映
制作国 フランス(1959)
上映時間 105分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-12-03

ロジェ・ヴァデイム監督の映画〈大運河〉同様のミステリアスな恋愛劇

最終更新日:2024-02-24 02:00:05

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