海と毒薬 作品情報
うみとどくやく
太平洋戦争末期、米軍捕虜八名を生体解剖した事件を二人の研究生の目を通して描いた作品
昭和20年5月、敗戦の色はもはや隠しようもなく、九州F市にも毎晩のように米軍機による空襲が繰り返されていた。F帝大医学部研究生、勝呂と戸田の二人は、物資も薬品もろくに揃わぬ状況の中で、なかば投げやりな毎日を送っていた。だが勝呂には一人だけ気になる患者がいた。大部屋に入院している“おばはん”である。助かる見込みのない貧しい患者だった。「おばはんは、おれの最初の患者だ」と言う勝呂を、リアリストの戸田は、いつも冷笑して見ていた。そのおばはんのオペ(手術)が決まったが、どうせ死ぬ患者なら実験材料に、という教授、助教授の非情な思惑に、勝呂は憤りを感じながらも反対できなかった…。
「海と毒薬」の解説
原作は遠藤周作の同名小説、脚本・監督は「日本の熱い日々 謀殺・下山事件」の熊井啓、撮影は楢山節考」の栃沢正夫がそれぞれ担当。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:熊井啓
出演:奥田瑛二 渡辺謙 成田三樹夫 西田健 神山繁 岸田今日子 根岸季衣 |
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制作国 | 日本(1986) |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「PineWood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2017-06-01
遠藤周作の原作の映画化。戦時下、米兵捕虜の生体解剖事件を巡り医者の良心と倫理を問うー。医学進歩の為と称して軍部と一体となった国際法違反の犯罪。熊井啓監督のモノクローム映像が本当の人の血液を使用した完全主義の点でも公開当事に話題に。海外の映画祭では<悪魔のはらわた>見たいなキワモノ作品の印象で捉えられて評価が二分されたと言う…。遠藤周作原作のスコセッシ監督最新作映画<沈黙>と共に繰り返し現れる波頭のシーンが眩しかった!!