アダン 作品情報

あだん

命の限り描き続けたひとりの画家の壮絶な半生

戦後間もない昭和20年代。天賦の才がありながら画壇と決裂し、孤立無援で一心不乱に絵を描き続ける日本画家・田中一村。貧しい暮らしの中で身を粉にして働き、彼を物心両面から支える姉・喜美子は自らを省みることなく弟のために生きる決意を固めていた。世間に認められないまま50歳になった一村は、生涯最後にして最高の傑作を描くために奄美大島に渡る。ダイナミックな島の自然に魅せられた一村の前に、山を走る少女アダンが現れる。

「アダン」の解説

命を削るとはまさにこのことか。自身も画家である榎木孝明が演じることを熱望したという実在の孤高の画家・田中一村は権力に媚びることなく、食べるものも食べず清貧を貫く。彼にとって生きるとは、すなわち絵を描くことだった。そして、古手川祐子演じる姉・喜美子もまた、自己実現や自分探しといった概念を超越し、弟が全身全霊を傾ける絵描き人生をかなえるために命を削る生き方を全うする。絵を描くとは、命を与え、同時に奪うもの。そして魂を込めた絵は、見る者の魂を揺さぶる。これまでにも『HAZAN』や『地雷を踏んだらサヨウナラ』などで実在の人物を描いてきた五十嵐匠監督ならではの、見応えのある人間ドラマが完成した。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2006年5月20日
キャスト 監督五十嵐匠
出演榎木孝明 古手川祐子 木村文乃 村田雄浩 加藤剛
配給 東京テアトル
制作国 日本(2005)

(c)2005 Adan Production Committee

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-05-27

小津安二郎監督の映画「お茶漬けの味」が戦後,大都会の近代人の孤独に就いての内面を見詰めた作品だとしたら,榎木孝明主演の本篇は陶芸家の生涯を描く「HAZAN」に続く孤島の忘れられた日本画の画家・田中一村の気概在る孤独な人生の物語何だ。アダンの森のフォトジェニックな幸福の瞬間を捉えた絵画は現代のフェニックスとも呼べる作品だった

最終更新日:2019-06-01 16:00:05

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