ふくろう 作品情報

ふくろう

生き延びるのは女、罠にはまるのは男。事の真相を知るのは物言わぬふくろうだけ

1980年頃、東北地方の山の中。住人がこぞって逃げ出した貧しい村でたった一軒残った家に、ボロをまとった餓死寸前の女が2人。もう限界だった。ユミエ(大竹しのぶ)とエミコ(伊藤歩)の母娘は、危機的状況から脱するために一計を案じる。身体を洗い、絵の具と墨で化粧をほどこし、急ごしらえの衣装で身支度をすれば、後は、なけなしの硬貨で電話をかけるだけだ。そして、ふくろうが鳴き、ランプに灯をともす頃、ダム工事現場から男(木場勝己)が訪ねてくる。ユミエは色気たっぷりに男を誘い…。

「ふくろう」の解説

打ち捨てられた開拓村で発見された9つの白骨死体の謎。現役最高齢の監督新藤兼人が挑んだのは、1シーン1セットの斬新な撮影手法だ。訪問者である男たちは次々に母娘の待つ家に入ってきては、いまわの際のセリフを残して退場する。演劇的なつくりではあるが、クローズアップの多用は映画ならではのもの。そのアップに耐える表情の豊かさは俳優たちの力量あればこそ。

中でも、あっけらかんと事を進める大竹しのぶの迫力は圧巻だが、娘役伊藤歩も堂々と渡り合っている。セリフもキャラクターも戯画化された脚本の根底には、お上に物申す反骨精神が息づいている。満州に始まる入植事業の度重なる失敗に翻弄された側(=女を代表とする)が、今度はお上の手先である男たちを手玉に取るのだ。したたかな女と愚かな男。生命力の差は歴然としている。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2004年2月7日
キャスト 監督新藤兼人
出演大竹しのぶ 伊藤歩 木場勝己 柄本明 原田大二郎 六平直政 魁三太郎 田口トモロヲ 池内万作 蟹江一平 大地康人
配給 近代映画協会、シネマ・クロッキオ
制作国 日本(2003)
上映時間 119分

(C)2003 近代映画協会

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最終更新日:2018-08-06 00:01:04

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