リトル・ダンサー 作品情報

りとるだんさー

1984年、ストライキに揺れるイングランド北部の炭坑町。母親を亡くし、父(ゲアリー・ルイス)も兄のトニー(ジェイミー・ドラヴェン)も炭坑労働者のビリー(ジェイミー・ベル)は、ボクシング教室に通っているが、試合に負けてばかりの11歳。そんな時、偶然目にしたウィルキンソン夫人(ジュリー・ウォルターズ)のバレエ教室に強く惹かれ、女の子たちに混じって練習するうちに夢中になっていく。ウィルキンソン先生はどんどん上達するビリーに自分が果たせなかった夢を重ね合わせ、熱心に彼を教える。しかし、家族の金をバレエに使っていたことがバレてしまい、父は激怒。ビリーは悔しさをぶつけるように、一人で踊っていた。だが、ストライキが長引き町中が暗く沈んでいるクリスマスの夜、親友マイケル(ステュアート・ウェルズ)の前で踊るビリーの姿を見て、息子の素晴らしい才能に初めて気づいた父は、彼をロンドンの名門、ロイヤル・バレエ学校に入学させる費用を稼ぐため、スト破りを決意する。それは仲間たちへの裏切り行為であった。だがスト破りの労働者を乗せたバスの中に父を見つけたトニーが、バスを追いかけて必死に止め、父は泣き崩れる。その事情を知った仲間たちがカンパしてくれ、ビリーは学校に行くことができた。15年後。バレエ・ダンサーになったビリー(アダム・クーパー)は、父と兄とマイケルが客席にいるウエスト・エンドの劇場の舞台で、スポットライトに包まれながら堂々と踊るのであった。

「リトル・ダンサー」の解説

バレエ・ダンサー志願の少年の成長を描く感動作。監督は演劇界で活躍するスティーヴン・ダルドリー。脚本はリー・ホール。撮影は「チューブ・テイルズ」のブライアン・トゥファーノ。美術は「スライディング・ドア」のマリア・ジュルコヴィック。衣裳は「ベント 堕ちた饗宴」のステュワート・ミーチェム。出演はオーディションで選ばれたジェイミー・ベル、「ステッピング・アウト」のジュリー・ウォルターズ、「マイ・ネーム・イズ・ジョー」のゲアリー・ルイス、「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」のジェイミー・ドラヴェンほか。特別出演に世界的トップ・ダンサーのアダム・クーパー。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2001年1月27日
キャスト 監督スティーヴン・ダルドリー
出演ジェイミー・ベル ジュリー・ウォルターズ ゲイリー・ルイス ジェイミー・ドラヴェン ジーン・ヘイウッド ステュアート・ウェルズ マイク・エリオット ニコラ・ブラックウェル コリン・マクラクラン ジャニーヌ・バーケット メリン・オーウェン アダム・クーパー
配給 日本ヘラルド映画(アミューズピクチャーズ=テレビ東京=博報堂=日本ヘラルド映画提供)
制作国 イギリス(2000)
上映時間 111分
公式サイト http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/little_dancer/

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-07-04

舞台出身とは言え、初の劇映画挑戦とは思えぬスティーブン・ダルトリーの丁寧かつ繊細な心理描写と遊び心ある演出が、リー・ホールの練られた脚本と一体化したオーセンテックな作品。クライマックスは、父親の頑なだった心境が一転するクリスマスの夜。その前に最低最悪のクリスマスパーティーを描写して、ビリーへの精一杯の(最後の)クリスマスプレゼントとして描く巧みな流れ。バレエ学校の試験場面も素晴らしい。音楽が鳴り始めても動かぬビリーと訝しげに見る教師たち。心と体が一致して初めて踊り出すビリーの天性の資質を視覚化した表現です。そして合格通知を家族が息を潜めて待つシーンの演出の上手さと情感の優しさもいい。人に優しい映画人のプロフェッショナルな作り、イギリス映画の歴史に残る名作になりました。

最終更新日:2022-07-26 11:03:40

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