ゾンビ映画の原点にして金字塔『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68)を、世界中の名作をレストアしリリースしている米クライテリオン・コレクション社が2016年に監督ジョージ・A・ロメロ、共同脚本ジョン・A・ルッソらの監修により4Kデジタルレストア。またサウンドトラックに関してもロメロ監督らの監修で新たに修復。画も音も鮮明に、かつてない迫力でよみがえった『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4Kリマスター版』として、6月17日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開されることが決定した。
本作は、2017年にこの世を去ったホラー映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督が友人らと1968年に生んだ長編デビュー作にして、現代のあらゆる「ゾンビもの」の原点・元祖であり、映画史における歴史的重要作品。
兄ジョニーと妹バーバラはある日父の墓参りに行く。しかし、突如よみがえった死体に襲われジョニーは抵抗するも殺害されてしまう。恐怖と悲しみに襲われながらバーバラが近くの民家に逃げ込むと、そこには他の避難者たちも潜んでいた。頼もしい黒人青年ベンを中心に、ラジオやテレビを頼りに外部の情報を得つつ、安全な場所を求めて逃げようとするが……。夜の闇と共に屋敷を取り囲む死屍の群れから、彼らは生き延びることができるのか?
① 人肉を喰らう。
② 喰われた人間もゾンビ化する。
③ 倒す方法は脳を破壊するしかない。
といった、いまなお量産されるゾンビ映画やTVシリーズでも踏襲されている“ゾンビ”の定義を確立した本作は、襲いかかってくるゾンビの群れから生き延びるために、親子、恋人同士といった様々な人間関係が自分の立場を優先した勝手な行動により破滅していく様、そして、恐ろしく皮肉なラストを含め、今の時代に観ても全く古さを感じさせない。映画史において最も多くの作品に影響を与えた重要作品だ。本作を保存するためにジョージ・ルーカスの財団も協力し、貴重なネガは現在、ニューヨーク近代美術館に保管されている。ゾンビ映画に限らず全映画ファンがこの貴重な劇場公開に足を運んで欲しい。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4Kリマスター版』は、6月17日(金)より、シネマート新宿・立川シネマシティほか全国順次公開。