2018年7月、『20世紀ノスタルジア』等で知られる映画監督・原將人の自宅が不慮の火事で全焼し、全ての家財道具と映画フィルム機材を焼失。家族を逃した後、新作のデータを救いに火の中へと戻りやけどを負って入院した原に代わり、妻のまおりが家族の様子をスマートフォンで記録した。一家のゼロからの再起を記録したドキュメンタリー映画『焼け跡クロニクル』(2月、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開)のポスターが完成した。
火事の被害で、50年の映画人生をかけた全作品のオリジナルフィルムや脚本、映画機材を焼失するという想像を絶する痛手を負った原將人監督だったが、公私ともにパートナーであるまおり監督との共同制作により、焼け跡から救い出した8mmフィルムとiPhoneで撮影したデジタル映像を組み合わせ、火事からの復活の日々を綴った新作の公開へとたどり着いた。完成したポスターには、家族の温かな団らん写真の傍らに愛用の8ミリカメラとフィルムのイラストが添えられている。
また、本作の公開を記念して、原將人監督による広末涼子映画デビュー作『20世紀ノスタルジア』の35mmフィルム上映が決定した。100回以上観たという画家・奈良美智氏をはじめ熱心なファンが多く存在し、90年代青春映画の傑作として再評価の機運が高まる本作。35mmフィルムでの上映により、1997年当時の雰囲気を追体験できる貴重な機会が実現した。改装のため一時休館する東京・新文芸坐にて1/21(金)に上映。特別ゲストの来場も予定されている。
【『焼け跡クロニクル』映画概要】2018年7月、京都・西陣の原將人監督宅より出火、自宅が全焼した。出火原因は不明。原は火傷を負って入院、残された家族は公民館へ避難。明日着る服も、帰る家もなく、映画監督の命である作品は燃え、生活するのに必要なものを何もかも失った。火災当日の模様とゼロからの再起を、当事者自らが記録したドキュメンタリー。