第93回アカデミー賞®️のノミネーションにてアンソニー・ホプキンス主演男優賞“史上最高齢”ノミネートを含む6部門(作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞、編集賞、美術賞)でのノミネートを果たした映画『ファーザー』が5月14日(金)より公開となる。
本作は、世界30カ国以上で上演された傑作舞台の映画化。誰にも訪れる人生の夕暮れと揺れる親子の絆を見つめた感動の物語。自身と同名で生年月日も同じ主人公の父親を、現在83歳の名優アンソニー・ホプキンスが演じ、『女王陛下のお気に入り』のオスカー女優オリヴィア・コールマンが、愛する父の変化に戸惑い悩む娘を繊細に演じる。監督は原作舞台を手掛けたフロリアン・ゼレール。長編初監督にして、現実と幻想の境界が曖昧になっていく父の視点で描かれる、これまでになく画期的な表現を実現させた。名優による圧倒的な演技とこれまでにない映画体験で、ゴールデン・グローブ賞4部門ノミネート他世界中の映画賞を席巻、そして先日発表されたアカデミー賞のノミネーションでは、A・ホプキンスの主演男優賞“史上最高齢”ノミネート、作品賞を含む堂々6部門にノミネートを果たした。
本作は、2012年パリでの初演で大成功を収めて以来、ロンドンのウエストエンドやニューヨークのブロートドウェイなど世界30か国以 上で上演され、フランス最高位の演劇賞を始め各国の最も権威ある賞を獲得し、日本でも「Le Père 父」のタイトルで橋爪功が主役を務め大絶賛された傑作舞台の映画化。
この舞台のオリジナル戯曲を手掛け「現代において最も心躍る劇作家」(byタイムズ紙)と称され、今やフランスでその名を知らない者はないフロリアン・ゼレールが初の長編映画の監督に挑んだ。
映画化しようと思ったきっかけについて、母代わりとして育ててくれた祖母が15歳の時に認知症を患い、その辛い過程を経て、誰かを愛する時「愛だけでは足りない」と思い知らされ、この個人的な感情を舞台で表現したが、感情を多くの人たちで共有できる映画というものにしたかったという。
ゼレールは映画化にあたり主人公の〈ファーザー〉を、名優A・ホプキンスに演じてもらう野望を叶えるため、フランス語の戯曲を英語に翻訳し、脚本をホプキンスへのあて書きへと変更、主人公の名前と年齢、誕生日などをホプキンスと同じ設定にしたという。
そしてこの度、フロリアン・ゼレールのインタビュー映像が到着!
認知症というテーマについては、「認知症は現代において最も悲しい問題です。それに誰もが共感できる問題でもあります。誰だって自分自身を失ってしまうのは怖いでしょう」と自身の体験を交えて話す。
なぜアンソニー・ホプキンスを主役に熱望したのかについて、「彼には深い認識があると思ったからです。老いと死に対する認識がね、老いを表現するのは勇気のいることです。アンソニー・ホプキンスのような活力にあふれた俳優が悲痛なプロセスを演じることに魅力を感じました。」と語る。
オリヴィア・コールマンの起用については、「主人公のアンソニーだけでなく彼の娘のストーリーでもあるため、力強い女優を求めていた。オリヴィア・コールマンは英国最高の女優だと思うので彼女の出演を望んでいました。アンソニー・ホプキンスとの共演もね。観客は彼女を通してストーリーを理解する、ストーリーの中心です。それに彼女はジレンマに陥っています。自分の人生を歩むべきかあるいは父の世話をするべきか、それが彼女の望む人生ではないとしても」と理由を話し、他キャストについては「映画にしては珍しくキャストは6人だけで、そのうちの何人かは複数の役を演じます。彼らを繰り返し違う役で登場させるのは戸惑いの感覚を表現するため、またそうすることで観客を戸惑わせることもできます」と、本作がかつてない映画体験ができることを予期させる秘密を明かす。
そして観客には「認知症の症状の一部を自分で経験しているような立場で自分事として見てほしい。ストーリーは迷路のようなもので観客はその中にいて出口を探さなければなりません」と誰もが直面する愛する家族とのジレンマについてメッセージを添える。
本作のエンディングについて「アンソニーが母を求めて泣きますよね。これは避けようのない人生のプロセスなんです。つまり人は老いて衰えると子供に戻って親を求めるようになります。私にとってそれは受け入れがたいけれども美しくて力強い感情です」と思いを添えた。
初長編監督にしてRotten tomatoesで100%を獲得、賞レースを総なめにし、アカデミー賞に6部門ノミネートを果たすなど、その才能に世界が注目する監督・脚本のフロリアン・ゼレール。来たる26日(日本時間)のアカデミー授賞式から目が離せない。
『ファーザー』オリヴィア・コールマンインタビュー映像 解禁!
https://youtu.be/qR_20pGALak