日時:12月8日(火)
場所:グランドハイアット東京 3F グランド ボールルーム イースト
登壇者:吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、山田篤宏監督
河瀨直美監督を審査員長に迎え、2017年に発表された第1回木下グループ新人監督賞で、241本の中から栄えあるグランプリに選ばれた作品『AWAKE』が、12月25日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開となる。本作は、2015年に実際に行われ、当時、ネットユーザーや将棋ファンの間でかなりの物議を醸した棋士VSコンピュータの対局に着想を得て、山田篤宏監督が書き下ろした完全オリジナルストーリー。天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公が冴えない大学生活を送っていたある日、ふとしたことで出会ったAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす青春物語。主演に、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」主演が決定し、飛ぶ鳥を落とす勢いの俳優・吉沢亮。共演に、31歳にして芸歴30年を誇る若手実力派・若葉竜也、映画・ドラマ・舞台と幅広いジャンルで活躍する落合モトキ、昨年第92回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞し注目が集まる寛 一 郎。更に、馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まことら、確かな実力を持つ面々が顔を揃えた。脚本・監督は、山田篤宏。ニューヨーク大学で映画を学び、これまで乃木坂46のミュージックビデオや短編映画で実績を積んできた40歳の俊英が満を持して商業映画デビューを果たす。公開に先駆けて、キャスト・監督登壇による完成報告会見が行われ、主演の吉沢亮をはじめ、若葉竜也、落合モトキといった若手実力派俳優に加え、山田篤宏監督が登壇し、撮影裏話や公開に向けての思いを語った。
実際の対局から生まれた感動の青春物語『AWAKE』(12月25日公開)の完成報告会見が12月8日、グランドハイアット東京で行われ、主演の吉沢亮、共演の若葉竜也、落合モトキ、そして山田篤宏監督が出席した。
棋士になる夢を諦めた最強将棋ソフト開発者・英一役の吉沢は「将棋映画だしAIだし、難しいのかと思いきや、ド直球のエンタメです。爽快感のある青春ストーリーで本当に面白い。いい作品が出来て、それに参加できたのは嬉しい。すごく好きな作品です」と自賛するほどお気に入り。演じる上では「撮影前に体重を増やしたり、将棋を指しているときの姿勢や体の揺れ、表情なども工夫しながら」とこだわりを明かした。
英一のライバルで人並み外れた強さを誇る棋士・陸役の若葉は「実際に子供たちの将棋を見に行ったり、映像で棋士の立ち居振る舞いを見たり。棋士の方々の差し手や所作を体に落とし込みました」と役作りを回想。英一の先輩で変わり者のプログラマー・磯野役の落合は「セリフが専門用語すぎて大変。呪文のように覚えようと、意味を考えずに言葉を喋っていたイメージです」と専門的役柄に苦労もあったようだ。
本作で第1回木下グループ新人監督賞グランプリを受賞した山田監督は、今をときめく俳優陣総出演での商業デビュー作に「凄いなぁ…と見てます。いまだに…」と緊張気味も、晴れ晴れとした表情を浮かべていた。
また吉沢との初共演に落合が「素晴らしい役者さん。二人の空間で嬉しい気持ちで毎日やっていました」と弾んだ声でいうと、同じく初共演の若葉は「吉沢君には勝手なイメージで爽やかでスターな感じなのかと思っていたら、死ぬほど暗くて…。こんな感じなんだと思った。英一は本来の吉沢君の姿に近いのかも」と自身が抱いていた吉沢のイメージとのギャップに驚き顔。それに対して吉沢は「英一と僕は近いです。自分で言うのもアレですけど…」と否定せず「周りに興味はあるけれど、あまりに暗くて興味のないふりをしている感じとかが理解できる。ここまで役柄の内面とフィットする瞬間はなかなかない」と英一に共鳴していた。
さらに藤井聡太二冠の「AI超え」にちなんで、それぞれが今年「超えた」と思うものを発表。若葉は「洋服にはお金をかけないタイプだけれど、ありえない金額のコートを急に買いました」と告白。吉沢は「筋トレ超え」といい「役作りのために去年の終わりくらいから筋トレをやり始めて、細マッチョというよりは、ガタイが大きい感じになった。今は痩せましたが、腕も胸もボンッ!となっていたときもあります」と報告した。
山田監督は「このような会見などで、度々緊張を超える瞬間があります」と照れ。落合は「30歳になったので食を見直しました。最近は大人っぽく、ウナギを食べるようになった」とウナギ超えを明かしていた。
くじけそうになった時の回復方法は?との質問には、幼少期から大衆演劇で俳優として活動していた若葉は「ほぼ毎日くじけています。自分が唯一生活できる可能性の高いのはこの仕事。挫折的に役者の仕事をしているので、今もくじけ中です」と日々試行錯誤の連続のよう。吉沢は「壁をどう乗り越えていいのかわからないときは、自分をネガティブに落とし込む。いざ蓋を開けたら何もなかったというパターンが多い。やるしかない状況に自分をネガティブに落とし込んでいく。そうすると意外とできることが多い」と自ら実践しているメソッドを明かした。
落合は「時間が解決するとは思うけれど、応急処置は必要。そんなときは飼っている二匹の猫が寝ているところに顔をうずめる。猫に迷惑をかけるけれど、それが僕の応急処置」とペットが癒しだと明かす。山田監督は「落ち込みそうになった時は、人のせいにする。問題を自分の身から一旦離して考えると意外と深刻にはなりません」と回避方法を勧めていた。
写真撮影タイムには、英一(吉沢)が作った将棋プログラムの指し手として、劇中で使用されたロボットアーム【新電王手さん】もステージに登場。公開に向けて吉沢は「将棋ファンはもちろんのこと、そうでもない方にも楽しんでもらえる作品。友情や青春、成長など普遍的なものが根本のテーマにあるので、色々な世代の方々に観てほしい。クリスマスにぜひ!」と呼びかけていた。