日本中のお宝ファン、コメディファンを笑いと感動の渦に巻き込み、大ヒットを記録したあの『嘘八百』が、全方位にパワーアップした『嘘八百 京町ロワイヤル』が大ヒット公開中だ。公開初日となる、1月31日、初日舞台挨拶が実施された。日本映画界が誇る中井貴一と佐々木蔵之介の黄金タッグ再び、着物美人のマドンナ・広末涼子、前作を沸かせた超個性派ゴールドメンバーから友近、坂田利夫、新たな敵・有名古美術店のやり手主人役の加藤雅也、武正晴監督が登壇し、今年の願いを絵馬に書いた。
満員の会場に登壇した豪華キャスト。中井が「ありがとうございます。ちょうど今の時に撮影して、1年間寝かせてきた子供を世に放つという感じです。ここからは、お客様によってこの映画は育てていただきます。面白かったら多くの方にお伝えください。面白くなかったら、忘れてください(笑)」と、佐々木が「初日というのはこんなにドキドキするものかと今壇上で思っております。まさかの続編なんて100にひとつです。そして地元の京都で撮影できて、こんなに嬉しいことはありません。楽しんでいってください。」と、広末が「今日は初日にありがとうございます。この映画はハリウッド映画みたいに宇宙を相手にしたり、AIを相手にしたりした大作ではないですが(笑)、私は観た時に、これこそ日本の喜劇、日本のエンターテインメントだと幸せな気持ちになりました。皆さんもそんな気持ちになっていただければと思います。」と、友近が「皆さんありがとうございます。今回の映画の中でも、康子という蔵之介の家内ということでやらせてもらってます。2作目も出させていただき、この映画が続くということは、佐々木さんと結婚状態が続くということなので、ずっと続いて欲しいです。(笑)撮影に行くのが楽しくて、癒しの場でもありました。こんな素晴らしいメンバーの中にいると緊張したのですが、横見ると坂田師匠がいるので、ホッとしました。師匠サンキュー!」と、坂田が「私もびっくりしました。大概緊張しませんが、今日は緊張して、脳みそは生まれたての赤ちゃんと一緒。ありがとうございました!」と、加藤が「今日はありがとうございます。関西弁でやるということで、楽しんでやらせていただきました。こんな大きな劇場に人が入る映画の続編に出させていただいたということで、改めてびっくりしています。これでパート3がなくなってしまうと、えらいことなので、僕の責任にならないように皆さん宣伝してくださいね。」と、武監督が「素晴らしいスクリーンで、いい劇場ですので楽しんでいってください。出てらっしゃる方の一瞬一瞬が面白いので、その辺を注目していただければと思います。」と挨拶をした。
口が立つ古美術商を演じた中井がセリフ量について尋ねられると、「この作品の中では役割分担があって、僕が口、こちら(佐々木を指しながら)が作陶と分担できているので、セリフが多いのはやむを得ないと思っていましたが、多すぎるな、と思いました。皆さんにセリフが多いって感じていただかないようにと思ってやりましたので、いい脳トレになったと思います。」と話した。陶芸家を演じた佐々木さんにろくろを蹴る「蹴ろくろ」に挑戦したことに関して尋ねると、「僕は、口八丁手八丁の手八丁なんですけど、『嘘八百』というタイトルですが、ここばかりは、本物の陶芸家に見えなければならなくて。代役はしないから、と監督に指令を受けて、人力で蹴って、指先は繊細に、と言うことでしたので、課題がありました。なんですが、役者は課せられると、半分喜びというか、Mっ気があるので、そんな気持ちでやってました。翌日は全身筋肉痛でしたね。ですが、今の陶芸家もほとんど使っていない蹴ろくろをどこで見つけたのか、気になってました。」と投げかけると、武監督は「練習をさせていただいていたところにまさかであったんですね。古田織部の時代は使っていましたが、今はないだろうなと思っていたら、まさかあったので、みんなで運んで、佐々木さんには全身筋肉痛になってやっていただきました。」と驚きの撮影秘話を披露した。
武組初参加の広末が「武監督の現場は本当に早くて。本読みではお二人のテンポ感と、スピーディなセリフの言い回しが圧巻で、素敵なので聞き入っちゃうと同時にプレッシャーがありました。それで初日現場に行ってみたら、役として動いたことがないからリハーサルをやってみるんだと思ったら、テストで、テストした後すぐ本番で。相談する暇もない連日でした。考えたり、悩む暇がなかったので、舞台に立っているような感じでした。久しぶりに毎朝、朝3時に起きて、ひとりコソ練してから現場に入って、本番に入っていくような現場でした。お二人がNGを全く出さないので、ちょっとは出して欲しいって思いました。(笑)」と撮影を振り返ると、そんなマドンナとして今作より参戦した広末に対し、友近は「今作では恋敵が現れるって聞いて、それが広末涼子ちゃんって聞いて、恋敵には遜色ないなって思いました(笑)(武監督の現場は)お笑いの現場の形と似ていて、すごくいいところをふわっと撮ってくださって、心地いい撮影現場だなって思いました。」と、話した。そんな友近に、広末も「友近さんがインする日が、友近さんが一気におしゃべりするシーンで、そこが初日で、緊張するだろうなって思ったんですけど、そんな緊張を全く感じさせなくて、さすがでした。」と大絶賛すると、「うちの嫁はかっこいいんです。」と佐々木も会話に入った。そこで「蔵之介がそう言うております。」と友近も乗っかり、会場は笑いに包まれた。
中井が“フリースタイル”と称する坂田の演技に関して、坂田は「そうですねえ。すごいですねえ。」と話すと、「あえて僕が説明します。」と中井の解説が。「水泳でフリースタイルを自由形って言いますよね。日本語でフリースタイルを自由形っていうだけで、クロールは自由形ではないんです。なんでもいいんですよね。だから芝居も決まりごとはないんです。セリフを忘れても、言わなくてもいいんです!進まなくてもいいんです!」と水泳に例えながら坂田師匠の演技を解説。そんな中井に「いいよ〜」と言う、師匠独特のリズムに会場は大爆笑。加藤は役作りに関して「本人は悪いことをしていると思っていないので、楽しんで、わざと悪い顔はしたりしませんでした。この作品はそういう奴が出てこないと、お2人の活躍が出てこないので、皆さんに憎たらしいなって思ってもらえるように演じました。」と話した。武監督は続編を作る上で意識したことを尋ねられると、「やはり、パワーアップしましたね。続編のいいところです。今回は舞台が京都で、広末さんはお茶をやったりと、そう言うところは全て見せ場になっていますね。」と答えた。
パート3が作られることになるとしたら、舞台はどこがいいか尋ねられると、中井「ちょっと暖かいところがいいです。京都でものすごく寒かったんです。予算も潤沢にある映画ではないので、控室がないので、お向かいの不動産に控え室とお手洗いをお借りしました。街と一緒に頑張ってさせていただく。そのお向かいに中華料理屋さんがあって、温かいものを食べるために行ったら、オススメなんですかって聞くと、“冷やし中華です。”っていうんですよ。そこで広末さんはさすが、すかさず温かいスープ頼まれたよね。でも最終的にお店の方からタダで冷やし中華持ってきてくれたんですよね(笑)そんな状況だったので、温かいところがいいですね。」と撮影を振り替えながら、話すと、「本当に季節さえ選んでくれたらいいですよ..」と佐々木。「でも夏の京都も暑いよね。」と中井が、「それも怖いわ〜」と佐々木が返し、絶妙な掛け合いを見せた。そこで武監督から「四国とかどうなんですか?」と言う提案をされると、友近は「前回少しお話ししてましたよね。名所もいっぱいあるし。温泉もあるし、加計学園もあるし。話題のスポット沢山あります。」と切り込み、会場をまたしても沸かせると、「いいんじゃないですかね。嘘八百的に。」と武監督も乗っかり会場も笑いに包まれた。
1年の始まりということにかけ、1年の願いを込めた絵馬を書くキャストが披露。武監督が「地球平和。世界平和ってよく言うんですけど、そろそろ地球って考えなければと思って書きました。」と発表すると、加藤が「僕なんか私利私欲です。“嘘八百第三弾もでれますように。”です。」と。そんな加藤に武監督は「ぜひ!宜しくお願いします!」とオファー。広末は「私も真面目に書きました。“平穏無事”穏やかに日常を過ごしたいです。それが一番かなって思います。」と話した。中井が「“次はパリロワイヤル”実はパリを考えてます。皆さんが3回か4回見にきてくれて、パリを実現させたいです!京都と姉妹都市でもあるし。」と次作への期待を込めると、佐々木も「お茶でパリ。いいと思います。」と、武監督も「よっちゃん誘拐とかね。」とノリノリの様子。佐々木が「“美味しいお酒が飲めますように”先輩にお酒は百薬の長だよと言われて、それを守ってます。」と話すと、中井も撮影時を振り返りつつ、「ご実家が酒屋さんなので、水道から出るんですよね?」と、冗談を交えながらここでも抜群のコンビネーションをのぞかせた。友近が「“ヒール講談”ヒールの音を鳴らす講談を考えました。講談っぽく見せるという芸を磨いていきたいと思います。」と発表すると、「これ抜群なんですよ。」と中井が、「本当に最高なんです。」と広末が絶賛した。
坂田が「できますように」と、書いた絵馬を逆から読むと、すかさず中井が、「結婚できますようにって書いてあります。機転が利くんです。うちの坂田は。今年こそは結婚ですよね?」と解説。「はい〜。結婚式来てください。」と坂田もアピールした。
最後に佐々木が「登壇した時は緊張しましたが、大分緩くなってきました。初日を迎えられて嬉しいです。僕は、次はフィレンツェでやりたいなと思います。」と、中井が「今日から映画が皆さんのものになりました。多くの皆さんに育てていただいて、パリでロケができればと。もしこの2作目が入らなければこの2人のせい(広末と加藤を指しながら)だと思っております。(笑)先ほども申し上げましたが、師匠が結婚したいんです。ただ、相手がいません。一緒に暮らしていただける方、お帰りの際、ご住所とお名前を記載していただければ、こちらの坂田利夫からご連絡いたします。本当にありがとうございました!」と話し、大盛況のままイベントは幕を閉じた。