森山未來、初の海外主演作で訪れたカザフスタンでの経験を「宝物のよう」と振り返る『オルジャスの白い馬』初日舞台挨拶

森山未來、初の海外主演作で訪れたカザフスタンでの経験を「宝物のよう」と振り返る『オルジャスの白い馬』初日舞台挨拶
提供:シネマクエスト

日本・カザフスタン合作映画『オルジャスの白い馬』が、1/18(土)より新宿シネマカリテで公開された。ほか、全国順次公開。主演を務めるのは、若手実力派俳優である森山未來と、『アイカ(原題)』で2018年カンヌ国際映画祭最優秀主演女優賞に輝いたサマル・イェスリャーモワ。アジアを代表する若手国際派俳優ふたりによるダブル主演。森山にとって初の海外主演作となる本作で、全編カザフ語で演じ乗馬もこなす熱演を披露、愛する人に真実を語れない不器用な男を演じている。監督・脚本は、日本人監督とカザフスタン人監督が共同で担当。天山山脈を臨むカザフスタンの大草原を舞台に、突然父を亡くしてしまった少年オルジャスと、その前に突然現れた不器用だが正義感の強い男カイラートとのふれあいを描くヒューマンドラマだ。公開初日の1/18(土)に、新宿シネマカリテで森山未來、竹葉リサ監督を迎えて初日舞台あいさつを行った。当日は雪が降る中、満員の観客に見守られながらカザフスタン人スタッフ達と取り組んだ撮影などを振り返った。

MCが胸をつかまれるような映画であったと感想を述べると、森山は「ただの楽しい映画ではないと思います。皆さんがどんな読後感をお持ちなのかすごく気になります。ストーリーなども重要なんですが、この映画はそれよりももっと大きなものを描こうとしているのかなと。一言で言うのは簡単ではないですが、“台地に溶ける”というんでしょうか」と、完成した映画への印象を語る。

竹葉監督は、森山をキャスティングした理由として「もともと、演技の芸術性が高い方だと思っていました。カザフスタンでの撮影は本当に過酷な現場になります。森山さんはイスラエルに留学した経験もありますし、乗馬の経験もあります。それで、“森山さんしかいない”ということでお願いしました」と説明。
また、カザフスタン人監督との共同作業について、竹葉監督は「脚本の段階では日本とカザフのスタイルを合わせるためにかなり試行錯誤もありましたが、伝えたいものがすでに一致できていた編集ではスムーズだったと思います」と自信を込める。

映画の撮影を通じて初めて訪れたカザフスタンの魅力について、森山は「カルチャーショックとはまた違う、原風景を見ているような場所でした。人間が立ち返る場所、自然の中に生かされているという感覚は、僕の中に宝物のように残っています」と振り返る。自身が演じた謎に満ちたカイラートという人物については「カイラートとは多くを語らない存在です。どうして家族から離れなければならなかったのか、どうして戻ってくることができなかったのかということは映画でもはっきりとは描かれていません。でも編集された後のものを見ると、そういう時世を表すようなものは全て抜かれていきました。僕はこういう感じを好きだなと思いました」と、作品が持つ“語らない”魅力を説明する。
それに対して竹葉監督は、「ソ連崩壊の1990年前後という時代設定で、カイラートがそこに至る人生というのは、シナリオとしては裏では存在しています。人が生きているという輪郭が残ればいいと考えていました」と、作品の狙いを語る。

森山は、本作で日本のものとは全くスタイルの異なる“カザフ”流の乗馬にも挑戦した。そのことについて、「向こうの馬は本当に荒いんです。草原で走ることに慣れているんだと思います。『モンゴル』(2008)でスタントをやられていた一流の方が付いてくれました。それで一度、映画にも出てくる“馬追い”をやってみたんですが、馬がどうしても走り続けて止まってくれなくて、さすがに無理でしたね(笑)」と振り返った。さらに、過酷だったというカザフスタンでの撮影を振り返りながら、「エルラン(・ヌルムハンベトフ/カザフ側の監督)は人柄のよさがにじみ出ている方で、スタッフも皆さん本当にあったかくて仲良くなることができました。いつでもカザフに戻りたいなと思います」と懐かしんだ。カザフ語をどのように覚えたのかという質問には、「この映画の撮影前、日本にいなかったので、ネットでスカイプを使って勉強しました。カザフの方と週何回か、そのペースを増やしていったんです。現場では直前にセリフがどんどん変わっていきましたが、何を言われてもそれしか言えないですし、誰よりもセリフを覚えていたと思います(笑)」と明かす。
現場での数々の驚きのエピソードに対して、竹葉監督は、「もし<俳優>という競技がオリンピックにあったとしたら、森山さんは確実に金メダルをとれるんじゃないかと思います(笑)現場でどんどん変わっていくシナリオに対応しながら馬にも乗ったりして」と最大級に称える。

最後に、森山は「この作品に関われて本当に光栄でした。皆さんがどう感じたかを聞いてみたいですし、カザフスタンの風を皆で共有できたらと思います」と挨拶し、竹葉監督は「エルランと出会ってから365日、この映画の企画を通すことだけを考えていました。こうして映画館で観さんにご覧いただくことができるのは、本当に感無量です」と締めくくった。

最終更新日
2020-01-20 12:00:42
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シネマクエスト(引用元

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