ハリソン・フォードの話はつまらない?!極上のセレブたちの驚きのエピソードと、ほろ苦いニューヨークの時代の変遷が刻まれた3部作の完結編!『カーライル ニューヨークが恋したホテル』 特別試写会

ハリソン・フォードの話はつまらない?!極上のセレブたちの驚きのエピソードと、ほろ苦いニューヨークの時代の変遷が刻まれた3部作の完結編!『カーライル ニューヨークが恋したホテル』 特別試写会
提供:シネマクエスト

日時:8月27日(火)
場所:Bunkamuraル・シネマ
登壇者:菊地成孔(音楽家/文筆家)、森直人(映画評論家)


現在絶賛公開中の映画『カーライル ニューヨークが恋したホテル』の大ヒットを記念し、27日Bunkamuraル・シネマにて、ミュージシャンの菊地成孔と映画評論家の森直人の二人を招き、トークイベント付き特別試写会が開催された。

本作は、世界中のセレブたちが愛し、名だたるスターたちが訪れ、幾多の逸話を残していることから、ニューヨーク・タイムズが「秘密の宮殿」と呼んだ伝説のクラッシックホテル「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」について描いた世界初の5つ星ホテルのドキュメンタリー。音楽家兼文筆家として活躍し、ニューヨークのドキュメンタリー映画に精通する菊地。まず、本作の監督を務めた監督のマシュー・ミーレーについて、菊地は「ニューヨークの五番街にある、アイコン的存在の建物を6年間、撮り続けている人。」と紹介。過去のミーレ―監督作品には、ニューヨーカーに愛され続ける高級デパートを舞台にした『ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート』(13)をはじめ、『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』(16)の2本を挙げ、「これからも続くかもしれないけど、今回が3部作の完結編」と、完成度の高さにご満悦の様子。本作は、総勢38名のスターだけでなく、カーライルに務めるホテルスタッフへのインタビューも収められている。

菊地は、劇中に登場するハリソン・フォードのインタビューでの受け答えについて触れ、「彼は、アメリカのセレブの中では話がつまらないことで有名」と明かし、場内の笑いを誘うも、「映画に出てくる登場人物の半分以上を知らなくてもおもしろい。ドキュメンタリーありがちな、ちょっとダレちゃうということがない」と述べた。続けて「ミーレ―監督は、出演者から面白い話を引き出して、まるで楽しいパーティーのような時間を作ることがすごく上手」と監督の手腕について語り、「嘘偽りのない素材を使ってキラキラした夢みたいな世界を作ることが出来る」と大絶賛した。バーグドルフ、ティファニー本店に続き、今回は高級クラシックホテルであるカーライルを舞台とした本作。森は「ニューヨークの時代の変遷が刻まれている。」と解説した。当ホテル同様、1930年代はニューヨークのシンボルとなるものが多く誕生した。「クリント・イーストウッドも1930年生まれだよね」と映画界の巨匠の誕生した年であると菊地。近年のニューヨークについては「9.11とリーマンショックという大きなダメージを2回も負ったが、倒れるのではなく更に力をつけた」と解説。一方で「コスパ重視の流れにあり、地代の高騰など高級デパートが閉店に追いやられ、昔ながらの街並みが変わりつつある」とも語った。またトランプ政権に代わったことも、時代が大きく変わったとも分析する菊地。「オバマ政権とは違い、トランプ大統領自身がツイッターなどを駆使し、意見を発信する。まさにSNS時代を象徴している」と語り、「古き良きリベラルなニューヨーカーは嘆いている」と明かした。

本作では、ウディ・アレン、ジャック・ニコルソン、そしてトランプ大統領など、著名人にまつわるエピソードが次から次へ登場する。「主役級のスターがたくさん登場する中で、ハリウッドをはじめ、どこにも敵がいないジョージ・クルーニーがこの映画の主人公的存在というのもわかりやすいよね」と森。続けて菊地は、「今の時代を象徴する。ちょっと切ないね」と本音をこぼすも「このほろ苦さがちょうどいい」とも語った。最後にみどころについて菊地は、前半の豪華セレブ達へのインタビューはもちろん、後半に描かれるホテルを支えるスタッフたちについて触れ、「ドライに割り切った個人主義ではない。自分の職場に対して伝統があることを誇りにもっている」と彼らへのインタビューで垣間見ることのできる、仕事論も必見とし、本作をアピールし、本イベントは終了した。

最終更新日
2019-08-29 12:00:44
提供
シネマクエスト(引用元

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