池松壮亮主演、キム・コッピ、満島真之介、大倉孝二共演の超衝撃作『君が君で君だ』が7月7日の七夕より全国公開となる。本作は、好きな女の子の好きな人になりきって、自分を捨て去り、10 年間彼女を見守ってきた 3 人の男たちの愛の結末を描いた恋愛譚。日本の伝説のロックシンガー「尾崎豊」になりきるのは、映画俳優として唯一無二の存在感を示す池松壮亮。そして、世界中の誰もが知るハリウッドの名俳優「ブラッド・ピット」になりきるのは、確かな演技力で頭角を現す満島真之介。さらに、日本の歴史を大きく変えた人物「坂本龍馬」になりきるのは、独特の個性が光る大倉孝二。ヒロインを務めるのは、映画『息もできない』での演技で世界中の注目を集め、多くの熱烈なファンを持つ韓国人女優キム・コッピ。監督・脚本は、国内外で高い評価を受ける松居大悟。疾走感ある映像に今という時代を映し出し、観る者の恋愛観を試す、松居大悟監督が長年温め続けてきた完全オリジナルラブストーリーだ。国境も常識も越えた愛の物語は、観る者の恋愛観を揺さぶる。そしてこの度、『君が君で君だ』が 6 月 16 日(土)~~6 月 25 日(月)にて開催されている第 21 回上海国際映画祭の GALA 部門に出品となり、上映&舞台挨拶が行われた。
上海国際映画祭は、会期中に国内外約 500 作品が上映される、アジア圏最大規模の映画祭。本作は映画祭の中でも注目のGALA 部門に出品。そして、上海最大級 1200 人超の座席数を誇る「SFC Shanghai Cinema Hall1」にて上映され、主演の池松壮亮、松居大悟監督が舞台挨拶&ティーチインを行った。チケットは発売 10 分で即完となり、会場は満席となった。上映中は、笑いも起こり、盛り上がりを見せ、終盤にかけて真剣な空気で包まれていった。エンドロールに入った途端、鳴りはじめる拍手。池松と松居監督の登場には、割れんばかりの黄色い声で会場内の熱が一気に上がる。
松居監督が「みなさんこんにちは、松居大悟です。今日はどうもありがとうございます」と中国語で挨拶。池松からは、「みなさんこんにちは、池松壮亮です。今日はお越しいただきありがとうございます。こうして上海まで来たのですが、僕が伝えたいことは映画に込めたので、とくに言いたいことは無いのですが、なぜ上海まで来たのかというと、上海に来ると、上海ガニを食べさせてくれるということで来ました。笑」と池松節で会場の笑いを誘った。
また作品ついて、松居監督は「この映画をつくるのに7年間かかったのですが、いわゆる人を好きになって、相手も好きになるという、当たり前の愛ではない、愛のかたちを描きたかった。」とコメント。司会者から池松に「チャレンジしたことは?」の質問に「人毛(髪の毛)を食べたこと。それがいちばんきつかった。」とその撮影を振り返るエピソードに、会場は笑いと興奮が入りまじり大盛り上がりをみせた。
さらにティーチインの時間となり、司会者が質問を求めると、一斉に手が上がる。来場者から「映画の内容に関すること」や「この愛の異質さ」を尋䛽るものなど、限られた時間に数々の質問が続いた。
また映画でキャストたちが歌っている尾崎豊の“僕が僕であるために”について聞かれた松居監督は「この映画は、“君が好きだと気づく以前の気持ち”を大事にしたいと思って作りました。“僕が僕であるために”は尾崎豊が愛情の在り方を歌っているような曲だと思っていますので、それを彼らに歌っていただきました。」と答えた。
さらに、メディア取材では、作品で描かれている恋愛観について聞かれた池松は、「この恋愛に対して、あのようなことはしたことはないけれど、かすかに身に覚えがある。」と答え、さらに松居監督について聞かれると、「松居監督は舞台もしている。
普通の映画現場よりも長く、稽古を行なう。俳優から湧き上がってきたことをもとに、言葉が多いタイプではないけれど、強い言葉を投げかけてくれる。これまで何本も一緒に作品を作ってきたので、ある程度通じ合えている関係性だと思う。その中で今回は、言葉がなくても通じ合えていたのかもしれない。松居監督は“言葉になる前の何か”を、映画を通して、毎作品かたちにしている人。映画を通して、愛という言葉に疑念を持ちながらも探していく。映画を作ることへの希望を感じている。」と答えた。日本では来週26日に完成披露を迎え、7月7日の七夕に公開となる本作だが、世界への殴り込みは、1200人超の会場を埋め尽くした映画ファン、映画メディアからの熱い注目を集める船出となった。