日時:7月22日(土)
場所:丸の内TOEI
登壇者:戸塚純貴、水野久美、松本若菜、山崎一、香川裕光(主題歌)加藤忠相(映画監修)、鈴木浩介監督
映画「ケアニン~あなたでよかった~」の東京での公開記念舞台挨拶が7月22日(土)に丸の内TOEIで開催され、主演の戸塚純貴をはじめ共演の水野久美、松本若菜、山崎一、鈴木浩介監督、本作の監修を務めた加藤忠相、主題歌を担当した香川裕光が舞台挨拶に出席した。
主人公の新人介護福祉士・大森圭を演じた戸塚は「介護というものに対して前向きなイメージがあまりなかった、仕事が忙しいから人に預けちゃう、色々な家庭の事情とか窮屈なイメージがあった」と率直に介護へのイメージを語った。続けて、「しかし撮影を通して、実際に加藤さんが藤沢で運営している小規模介護施設『あおいけあ』さんに伺ったところ、普段と変わらない生活をしているおじいちゃんやおばあちゃんがいて、介護のイメージが前向きなイメージにガラリと変わりました」と自身の作品を通しての心境の変化を語った。
認知症という難しい役どころを演じた水野に感想を聞くと、「何も考えないでやりました!」とキッパリ。「たまたま自身の年齢と演じた星川敬子の年齢が同じで、もし本当に自分が認知症になればどんな風になるのかな?と不思議な感覚で演じました」と撮影を振り返った。また「皆様がこの映画をご覧になって心に残る大切な何かを感じて頂きたかったので、一生懸命演じました。もし、認知症になっても頑張りましょう!、とっても素敵ですよ!」と会場の笑いを誘いながらも作品への熱い思いを語った。圭の先輩介護福祉士を演じた松本は、「最初に台本を読んだ時、両親のことが思い浮かび涙が止まらなくなった。この作品は介護する側の人を演じるために松本若菜の部分を押し殺して望みました」と役作りにおける葛藤を語った。
また敬子の息子役を演じた山崎は「親子のシーンの台本を読んだだけで、泣けて泣けて、自分は全国の息子の代表としてこの役を演じようと決意した」と役作りを振り返った。
また、監修を務めた加藤氏は「この映画は介護の作品という特別なものではなく、自分の映画として持ち帰ってほしい。介護の仕事と聞くと専門職であり、ものすごく難しい仕事という認識になりがちだが、実際の目の前のじいちゃん、ばあちゃんにとっては仕事ではなく生活。その生活をちゃんと支える仕事。この映画はその感覚をしっかり持っている作品になっている」と映画を見ての感想を熱く語った。
監督の鈴木は「自分も年齢を重ねるごとに様々なジャンルの作品を取ってきた、この作品はこの年齢になったからこそ、両親のことなど色々な思いを重ねて完成することができた。この歳でこの作品を撮れて良かったと思う」と本作への率直な思いを語った。実は本日7月22日は主演を演じた戸塚の誕生日ということもあり、会場には本作で圭と敬子の心を通わせるキッカケにもなったオレンジをあしらったバースデイケーキと花束が運び込まれた。それに本作の主題歌を担当した香川のギターによるハッピーバースデイソングも加わり会場は一気にお祝いムードに包まれた。最後に戸塚は「この映画は是非、沢山の若い世代の方たちに観て欲しい。そして普段なかなか考えないような身の回りの人の大切さを考えるキッカケになる作品になってほしい」と作品への熱い思いを語り舞台挨拶を締めくくった。映画『ケアニン~あなたでよかった~』は6月17日(土)より全国順次公開。