ディーン・フジオカが女性を次々と翻弄していく結婚詐欺師を演じていることで話題の映画『結婚』が6月20日（火）に東京・有楽町の日本外国特派員協会で上映され、ディーンと西谷真一監督が上映後の会見に出席。ディーンは得意の英語を駆使しながら、記者たちの質問に答えた。
ディーンの名を世に知らしめたNHKの連続テレビ小説「あさが来た」に続いて、映画でコンビを組むことになったディーンと西谷監督。井上荒野による原作小説の主人公で結婚詐欺師の古海健児がなぜディーンにピッタリだと思ったのか？ 起用の理由について監督は「『あさが来た』で初めてディーンさんにお会いしたんですが、衣装合わせの時点で興奮して、ファンになってしまいました。ディーンは全ての役になり切ることができる役者です。その振り幅を広げて、これまでやったことのない役で、その“色気”を世の中に発信したいと思いました」と説明する。
ディーンは完成した映画について「出演にあたり、監督の思い描く役に100%注力したいという気持ちで臨みましたが、意外にも映像を見ると、撮影中に抱いていた印象と違う、想像外のものになっていました。自分でも満足しています」とうなずく。
女性を騙す詐欺師という役柄への“共感”を問われると「俳優がやっている仕事の内容、実際の作業は詐欺師に近い部分があるなと思ってやっていました。俳優は求められた役を求められた場所でやるプロフェッショナル。詐欺師はエゴのために法律を破る。その差は大きいけど、やっていること自体は似ている部分がある」とユーモアたっぷりに語る。
騙しつつ、女性を幸せにするという点で、どんなことを意識したのか？ という問いには「いろんなテクを使って（笑）」とおどけつつ「まず相手に好意を持ち、興味を持つことが大事。相手が何を考え、何がしたいのか？ 相手がそこにいやすいようにエスコートするのも大切」と極意（？）を披露。「相手を好きになり、結婚したいというピュアな気持ちが、なぜかねじれや倒錯で詐欺に繋がっていく。それがこの作品の肝だと思います…（笑）」と語った。
西谷監督には「結婚とは何か？」というシンプルで本質的な質問が投げかけられたが、西谷監督は「僕自身の考えでは癒し」と即答。さらに「僕は何回か結婚しています（笑）」と付け加えると、会場は笑いに包まれ、ディーンも「説得力があるでしょ？」と笑みを浮かべていた。
ディーンは主演に加えて、エンドロールで流れる主題歌「Permanent Vacation」を自ら作詞作曲し、歌っているが、この楽曲の制作について「『朝が来たらどこに向かうのか？ わからないまま』というフレーズを頭に入れておいて、現場で演じている中、思いついた言葉を書き溜めていきました。楽曲の制作を本格的に始めたのは撮影後で、なんとなく『朝が来たらどこに向かうのか？』と言っていたのがそのままコーラスになりました。映画は、女性たちが古海を見ている客観的な目線で描かれるので、この曲では古海の独白――彼の心の中でどんな現象があったかを描きたかった」と説明した。
また、劇中のピアノのシーンについて、実際にディーンが弾いているのか？ と尋ねらると、ディーンは「Yes,I did.全部やりましたよ！」と即答。会場からは大きな拍手わき起こる。「曲を弾きながら、相手のセリフを聴き、自分のセリフを言うという、ミュージカルのようなアプローチで、初めての経験で集中力もいる難しいシーンでした」と振り返った。
『結婚』は6月24日（土）ロードショー。
