浅野忠信「長い戦いがやっと実った」。主演映画『淵に立つ』第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門レッドカーペット&公式上映レポート

浅野忠信「長い戦いがやっと実った」。主演映画『淵に立つ』第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門レッドカーペット&公式上映レポート
提供:シネマクエスト

フランスで開催中の第69回カンヌ国際映画祭で、現地時間14日に日仏合作映画『淵に立つ』が「ある視点部門」で公式上映され、出演者の浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治と深田晃司監督がレッドカーペットに登場した。
浅野は昨年の黒沢清監督『岸辺の旅』に続き2年連続で同部門に主演作が選出、深田監督は今回が初の選出となる。

公式上映後の第一声と、その後の囲み取材でのコメントは次の通り。

画像:(c)Kazuko Wakayama
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☆公式上映後の第一声
深田監督:最高のスタートを切れたと思っています。レッドカーペットはあっという間でしたね。あまり覚えていません。

浅野:(2年連続カンヌに参加して)これから毎年来られるよう頑張ります(笑)。

今回はどういう所が評価されてのノミネートだったと思いますか?

深田監督:それはわからないですね。逆に選んでくれた人に聞きたいです。

浅野:やはり監督のきちんと考えていた事を、粘り強く最後まで仕上げた所がひとつの大きな要素だと思いますね。映画は強烈なものでないと届かないと思うので、監督の中にあった何かが花開いたんだと思います。
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☆囲み取材で

古舘:すごく温かい拍手を頂いて、とても嬉しいです。カンヌなんて来ることは僕の人生でないと思っていたので、生きているとすごい事が起こるもんだなと。深田監督の現場は毎回色々とディスカッションして、すごく深い所まで追求できる現場なので、自分の表現したいものを監督の求めているものとすり合わせながらできるという事では、今回もとても楽しかったです。

筒井:温かい拍手が止まなくて、本当に嬉しかったです。海外の人にも、人種を超えて、まるで隣の人を観ているみたいなに観てもらえたらいいなって思っていたのですが、そういう風に観てもらえたのかなって、(頂いた)拍手で思えた気がしました。ずっと舞台をやっていて、初めて映画に出させていただいた時から、いつかカンヌに行きたいなって思っていたので、報告をマネージャーからもらった時、「あぁーー」って、遠い目になってしまって(笑)今もちょっとふわふわしています、でも、これから日々日々精進して、ここからまたスタートですね。

浅野:本当に長い戦いだったので、それがやっと実ったというか。このカンヌに来る時も、飛行機がたどり着かないとか、荷物が着かないとか、ハプニング続きだったんです。本当に今とてもほっとしています。皆さんにこうやって観ていただいて、温かい拍手を頂いたのがとても嬉しいですし、これからたくさんの人に届けばいいなと思っています。去年も(『岸辺の旅』の上映で)ずっと長い時間温かい拍手を頂けて、今年も同じようにずっと拍手を頂けたので、これはとても良い感触だなと思っていますね(※『岸辺の旅』は監督賞を受賞した)。

とても良い役を頂いて、これをどう演じるのかというのは、自分でも大きな課題だったもので、監督が忍耐強く見守って、僕の意見も全部取り入れてくれて、こういう映画に仕上げていただけたので、これは僕にとっても大きな一歩になったかなと思っています。

深田監督:カンヌはとにかく初めてなので、何とも比較できない経験ですね。最高の舞台をプレミア上映として与えられたと思うので、あとはできるだけ多くの国に、この映画が巣立っていけばいいなと思っています。子供の時からずっとカンヌを通過した映画や監督たちに憧れて、そういう意味では特別なのですが、ただ誰一人としてカンヌがゴールだと思っている監督はいないと思うので、これからがスタートだと思って、これからもコツコツと地道に映画を作っていきたいと思います。

こういう最高の舞台を与えられましたが、やっとこれからよちよち歩きを始めた赤ん坊のような映画で、これから皆さんに観てもらって、いろんな声をかけてもらって大きく育っていく子供だと思っています。ぜひ皆さんで見守って育んでいただければと思います。

最終更新日
2016-05-16 17:00:22
提供
シネマクエスト(引用元

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