ウーマンラッシュアワー、時代劇役者に開眼か?!『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』初日舞台挨拶

  • 登壇日:12月3日(土)
  • 登壇者:山本千尋、ウーマンラッシュアワー、中島貞夫監督、清水圭(MC)
  • 場所:有楽町スバル座
ウーマンラッシュアワー、時代劇役者に開眼か?!『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』初日舞台挨拶
提供:シネマクエスト

半世紀以上にわたり映画業界で時代劇を支え続けてきた中島貞夫監督の最新作映画『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』が12月3日に公開を迎え、初日舞台挨拶が有楽町スバル座で行われた。出演している女優・山本千尋と、本作の応援芸人であるウーマンラッシュアワー、MCに清水圭が登壇した。

■山本:今日は、この映画をわざわざ観に来て頂き、本当に嬉しく思います。少しの時間ですが、楽しんでいって下さい。

■中島監督:既にご覧頂いたので、お分かりになったかと思いますが、“ちゃんばらとは何だ”“一体、本当のちゃんばら映画の面白さって何なんだ”ということ、かなり長い年月の間、考えていましてこういう作品を作ってみました。本当の目的は、本格的なちゃんばら映画を最後の仕事の一つとしてやりたい!というのが、本音でございます。(会場から大きな拍手)

■ウーマンラッシュアワー:応援芸人のウーマンパラダイスです。正直、今日はお客さんの感じが“わー!”という感じかと思ったんですが、本当に監督の凄い大ファンであろうというお客様の集まりですので、余計な言葉は差し控えさせて頂きたいと思います。(笑)今日は、中島監督の言葉をチョッとでも多く聞きたいですよね。

■清水:ウーマンラッシュアワーの2人は、いまいくつ?

■ウーマンラッシュアワー:36歳です

■清水:君たちは、時代劇とかちゃんばらとか、よく観てたの?

■ウーマンラッシュアワー:いや、全く観てないですね。僕のお父さんとかがよく観てましたけど。

■清水:そうやな、僕もそんなに観てないけど、おじいちゃんやおばあちゃんがいた頃は毎日のように時代劇があって、必ず観ていたから、一緒に観てたな。ちゃんばら、面白いですよね。今日は、どうぞよろしくお願いします。まず、中島監督にお伺いしたいのですが、この映画がご自身の『極道の妻たち』以来、17年ぶりの作品ということで、その思いを聞かせて下さい。

■中島監督:『極妻』などの作品をやるまで、東映のバックがあってやってこれましたが、その後学校の先生やなんかやりながら今に至りますが、今「自分の作りたいものは、一体何だったんだろうか」と思い、私自身が映画界に入った頃の昭和35年、その頃は映画の全盛期で年間11億ものお客様が映画館に来てくれる時代でした。それから5年後、東京オリンピックの時代に映画監督になり、その頃からはお客様が4億(円)に減り、約4割ほど減ってしまいました。ちょうどその頃に「さあ、どんな映画を撮れば良いんだろう」ということになり、七転八倒しながら、時代劇を変えていこうということで『くノ一忍法』や大奥シリーズなど、女性ばかりの時代劇を作ってきました。そうして“ちゃんばら美学考”なんて、念頭にはなかったのですが、時間が経つにつれ、やはり本当の時代劇を支えていたのは“ちゃんばら”、その部分に焦点をあててみたらどうなんだろう、ということで、とにかくいっぺん徹底的にちゃんばらを考えてみようということで、撮った映画です。

■清水:なかなか、映画をそのまま観るばかりで、裏側の人達がどういうことを考えてちゃんばらを撮っていらっしゃるのか、など考えたことはないので、この映画を観て本当にいろんな方が携わっていることがわかり、非常に興味深かったんですがね。

■中島監督:この映画を通して「時代劇ってこうなっていたんだ」とかいうこと、少しは感心を持って改めて考えて頂けるのではないかと思い、そしてこの映画を通して「もっとホンモノを観たい」と思って頂けると本望です。

■清水:山本さんにお伺いしたいと思いますが、山本さんは、ご自身の前作である『太秦ライムライト』で殺陣の魅力にはまってしまったんでしょ?いかがでしたか?

■山本:私は3歳のころから中国武術をやっていたんですが、殺陣をやるようになって中島監督や福本(清三)さんに出会い、また剣会の先生方に殺陣の素晴らしさを教えて頂き、“刀の重み”を感じる撮影現場だったな、と思いました。綿h氏もそうですが、この映画に出て日本のちゃんばらの素晴らしさを若い世代の人達やちゃんばら世代の人達にも観て頂きたいと思いました。

■清水:そうでうね。海外では、クエンティン・タランティーノ監督などが日本のちゃんばらが好きで、自分の映画『キル・ビル』なんかでも取り入れたりしていますよね。日本刀の凄さなどをクローズアップしていますが、肝心の日本のほうがね。

■ウーマンラッシュアワー:映画界のジャンルとして、時代劇とちゃんばらは同じなんですか?どう違うんですか?

■中島監督:マキノ省三さんが昔、最初に映画を作ってくれと頼まれた時に、どうしたら良いか、考えていて、当時は歌舞伎が全盛だったが、「歌舞伎とは少し違うぞ」ということに気がつき、当時は映画を“活動写真”と呼ばれていて、“動く写真”ということで、動きのあることを追求、そしてもう一つは、当時の歌舞伎は洋風に傾いていて、踊りの極地に近いものへ移行していたのですが、写真=リアリズムの追求ということで、できるだけ生々しく見せるために、時代劇と歌舞伎の中間としてちゃんばらが出て来た。そのちゃんばらをやりながら、人間の喜びや悲しみを表現するというのが映画になっていったんです。

■ウーマンラッシュアワー:(山本さん)女性からみたちゃんばらの魅力ってどんなものですか?

■山本:観ていて、真剣勝負なんですが、ちゃんばらは観ていて美しいな、と思うところが素敵です。私だけですかね?(笑)

■中島監督:斬る側が、いつも目立っちゃうんですが、実はちゃんばらは“斬られる側”のほうが難しいんです。斬るほうは、ちょっと格好を覚えれば、格好よくいくらでもできちゃうんですが、斬られるほうは全部(その人たちに)タイミングを会わせないといけないので、斬られ方によっての倒れ方も違うし、その中でも一番むずかしいのは、斬る方は自分の間で動けるけど、斬られる方は、相手の間を読まなくちゃいけないから、(その間に合わせるにが)難しいんです。

■ウーマンラッシュアワー:なるほど…。

■清水:最後に、この映画は、中島監督の最新作へのネタフリではないかと期待してしまいますが、どうなんでしょうか?

■中島監督:そう思って下さい。(会場拍手)本当の時代劇が撮れるように、その準備は着々と進んでおります。

■清水:そうですか!楽しみですね。今日は、本当にありがとうございました。大きな拍手でお送りください。

最終更新日
2016-12-08 01:00:02
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シネマクエスト

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